日本共産党の仁比聡平議員は4月25日の参院法務委員会で、若くて健康だったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが、名古屋入管に収容され仮放免も認められず急激に衰弱し亡くなったとして、「収容との関係をどう考えるか」と質問しました。出入国在留管理庁の西山卓爾次長は「精神科医から仮放免すれば回復するだろうとの意見はあったが、死因の特定には至っていない」と答弁するにとどまりました。(質問動画はコチラ)

 仁比氏が「入管庁として収容と被収容者の心身の健康の関係について検討、研究したことはあるか」と質問すると、西山次長は「入管当局が主体となって検討、研究した実績は残念ながら見当たらない」と答弁。入管での死亡や不適切処遇が繰り返され、医療関係者の厳しい指摘にも、組織的な検討や研究さえしていないと認めたもので重大です。

 刑務所での拘禁反応については、名古屋刑務所暴行事件をうけた2003年の衆院法務委で、西島英利日本医師会常任理事(当時)が「無動無言、外部からの刺激に全く反応しない、食事をとらない、失禁する、こういう状況の方々へは、精神科としての専門的な医療をする必要性がある」と発言しています。

 仁比氏は「こうしたことが現に起きているのではないか」「被収容者をすべて重大犯罪者視する姿勢がある」と追及。斎藤健法相は「調査報告書で改善を指摘された点に関し対応する」と答えました。(しんぶん赤旗 2023年4月27日)