ハンセン病療養所の中で唯一離島にある国立療養所大島青松園（香川県高松市）の国直営の官用船について、船員の一部を２０１６年度から、「海事職」にすることが分かりました。厚生労働省が、日本共産党の仁比聡平参院議員に明らかにしたもの。全国ハンセン病療養所入所者協議会（全療協）が長年、運航に国は責任を負うべきだと求めてきました。
船員は現在、非正規を含め８人。正規の船員も、退職者の補充が認められていない「行政職俸給表二」が適用されています。２０１６年度から４人を補充可能な「海事職俸給表二」に切り替えます。
航海士、機関士などの船員は、専門職でありながらふさわしい待遇がされず、定年で欠員が生じても補充されず運航が危ぶまれてきました。船員を確保することで、将来的に安定した運航が可能となります。
官用船は大島、高松の両港を１日５往復。入所者や人権学習などで島を訪れる人たちにとって唯一の交通手段です。船員不足を理由に、大島、庵治（あじ）両港を結ぶ航路は昨年１１月、民間委託されました。
また、船員を含むハンセン病療養所の非正規の期間業務職員は、４年目以降の昇給がありませんでしたが、６年目まで認める予定です。任期の更新回数の限度もなくなります。（しんぶん赤旗 ２０１６年２月６日）
