日本共産党の仁比聡平議員は5月18日の参院法務委員会で、入管法改悪案に関連して、入管当局が「送還忌避者縮減」のため“送還ありき”で対応してきた問題を追及しました。(質問動画はコチラ)

 法務省の2018年8月24日付「送還忌避者縮減のための重要業績評価指標の作成について(通知)」では、法務省警備課(当時)が「送還忌避者」の縮減目標を定め、各入管官署は毎月設定する目標値に向かって業務を遂行することとされています。出入国在留管理庁の西山卓爾次長は同通知の存在を認め、業務目標の遂行は「入管の行政の役割だ」と強弁。仁比氏は「つまり“送還ありき”ということだ」と厳しく批判しました。

 西山次長はこの間の同委員会の質疑で、一昨年新たに「送還忌避者」とされた人数、送還や難民認定により「送還忌避者」ではなくなった人数、退去強制令書を出された人がその後日本に滞在している期間について「統計を作成していない」と答弁していました。18日の同委理事会で入管側は、数字を次回審議までに出すと約束。一転して統計の存在を認めました。仁比氏の質問に西山次長は「国会の求めには真摯(しんし)に対応する」と答えました。

 仁比氏は「つまり数字はあるということだ」と強調。「送還忌避者」の増加を理由に法改定が必要だと主張してきた政府は、その根拠となる数字を改定案提出段階でも、衆院審議でも提出してこなかったと厳しく批判し、「これからが徹底審議だ。しっかり数字を出してもらって吟味しなければいけない」と主張しました。(しんぶん赤旗 2023年5月19日)