○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
通告順を変えますが、先ほど維新の会の梅村みずほ議員が言及をされた梅村議員に届けられたという質問書の名義人、弁護士三人の名前を挙げられましたが、この三人は、ウィシュマさん遺族の代理人弁護団として梅村議員に質問を出していると聞いております。
ちなみに、本会議場においてウィシュマさんの御遺族が遺影を持って傍聴されるということは、事前の議院運営委員会の理事会において確認をされたことで、私は日本共産党会派の議員にはきちんと報告をしております。
いずれにしても、先ほど梅村議員がるる述べられた発言は、事実あるいは証拠に基づかない臆測の部分が極めて多くありました。福島議員の質問で、支援者が病気になれば仮放免されると述べた記録は、最終、入管の報告書の中に添付資料も含めて一切ないということ、そしてウィシュマさんが病気になれば仮放免されるという期待を抱いたなどという事実も、それらの記録上、一切表れていないということは既に明らかなんですね。
そうした下で先ほどのような発言が行われたということが、ウィシュマさん御遺族の心情を改めて深く傷つけたと私は思います。弁護団や御遺族からこの後しかるべき意見が表明されると思いますけれども、それは独り梅村議員に対するものではない、この国会、参議院の法務委員会に、そして日本という国、社会に対して向けられているものなんだということを私たちは正面から受け止めなければならないと思います。
この法案審議がこうした議論になってしまった以上、私たちは、法務委員会の運営においても質疑においても、徹底して、責任を持って、なぜウィシュマさんがあのような亡くなり方をしなければならなかったのか、このことについて解明をする、そして絶対に再び同じことを繰り返さない日本の入管難民認定の制度をつくり上げなきゃいけないという責任があると思います。
通告していませんが、野党対案の石橋発議者、御感想あれば一言いただけますか。
○委員以外の議員(石橋通宏君) ありがとうございます。
今、仁比委員が発言されたこと、私も全く共感するし、共鳴させていただきます。
先ほど答弁でも申し上げました。本当に、極めてウィシュマさんの死亡事件、その後の入管の対応を含めて、甚だ、原因究明、真相究明全くなされないままに今回もこの法案が出されてきた。
そして、ウィシュマさんだけではありません、この間ずっと、悔しいです、繰り返されてきた入管収容施設内における不適切な対応、それによる死亡事件、死亡事案。でも、最悪のこの死亡事件以外にも、様々収容者が不適切な対応をされた、人権侵害、尊厳の侵害、これが繰り返されてきたわけです。
それがまさに今、仁比委員が指摘をされた、そういった入管だけではない、日本社会全体に向けられた、残念ながら人権の尊重が極めて遅れてしまっているという法的な、制度的な対応そのものが、今課題が突き付けられているのではないかというふうに思います。
ですから、私たちは、それを抜本的に変えるためにこの野党案を共同で提出をさせていただいております。そこに私たちはしっかりとこの法案で向き合っていきたいと思っております。
ありがとうございます。
○仁比聡平君 そこで、入管庁にお尋ねをしますけれども、資料の十二枚目にそのウィシュマさんの医師の診療録がございます。その次のページに診療情報提供書もコピーをしていますけれども、つまり、ここでドクターが、支援者から病気になれば仮釈放してもらえると言われた頃から心身の不調を生じており、詐病の可能性もあると記載していることが今の一つの焦点になるわけですね。
一枚戻っていただいて、十一ページ、報告書そのものですけれども、十ページですね。この点について、調査チームの聞き取りに対してドクターは、問診の際に名古屋局職員からそうした話を聞いたということが明らかになっているわけです。
そこで、入管庁、このドクターに話をした職員というのは、これ特定できているわけですね。
○政府参考人(西山卓爾君) 特定しております。
○仁比聡平君 その職員を始めとして、ウィシュマさんの看守に当たっていた職員、私たちが七時間あるいは五時間のビデオであの単独室に出入りをする職員なども含めて、この名古屋入管の職員が、病気になれば仮釈放してもらえるなどという、つまり、本当は病気じゃないんだと、医師がそれを、その言葉から詐病という言葉をイメージしたような、そういう状態なんだという認識を持っていたのではないのか。だから、バイタルが取れなくても救急搬送さえしないという、そうした人権侵害に至ったのではないのか、そこが私は大問題だと思うんですよね。
この点はこれまでも議論してきました。そこで、この委員会で法案審議に当たって、きちんとこの点を明らかにしなければならないと思います。
そこで、入管庁、改めて報告書を読みますと、看守勤務者は看守勤務日誌を作成しなければならないということになっています。この看守勤務日誌は上に向かって決裁の対象になっているわけですね。ほかに、看守業務概況というのもありますし、診療結果報告書というのは次長までの決裁が必要になっています。特に重要なものとして隔離言渡し書は局長の決裁を必要とするというふうにこの報告書の六ページにありますけれども、これら全てを当委員会に提出すべきではありませんか。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の資料につきましては、ウィシュマさんやその他関係者等のプライバシーに関わる情報や収容施設における保安上の支障等を生じさせる情報等、情報公開法上の不開示情報に該当する情報が含まれております。
また、本件については国家賠償請求訴訟が係属中であり、訴訟係属中の事案に関する事柄の詳細を国会で明らかにすることは、司法への影響に鑑み、基本的に差し控えるのが適当であると考えております。
○仁比聡平君 そういう言い方で、個別事件だからとかプライバシーだからとか裁判中だからとか言って、真相解明に背を向け続けてきて今回の法案に至っているわけでしょう。それをそのままにして、この法案の審議が進められますかと、できないでしょうと私申し上げている。事実にも基づかずに、まして臆測のような議論を法律作るときにしちゃ駄目ですよ。
先ほど石川議員からも指摘のあった二百九十五時間の監視ビデオとともに、今、先ほど申し上げた入管庁が持っているこの記録、この委員会への提出を求めたいと思います。委員長、よろしくお願いいたします。
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○仁比聡平君 もう一点、入管庁にお尋ねをしたいと思いますけれども、この収容について、収容される前は健康であった、元気であった方が、収容されて見る見る体調が悪化すると。特に、眠れない、胸がどきどきする、食欲がない、思考がまとまらない、血圧が高いなどの異変が見られるようになるということは、このウィシュマさんに限らず、たくさんの方々の状態としてあるんですよね。とりわけ、医師、外からこの支援をしておられる内科や精神科のドクターたちは極めて心配をしている、おかしいじゃないかと。
そこでお尋ねしますけれども、そうした異変が見られるようになって診療室で眠剤や抗不安薬が処方されるケース、これ昨年の二〇二二年一月から十二月までの一年間で何件ありましたか。
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねの件数につきましては、業務上統計を作成していませんので、お答えすることは困難でございます。
○仁比聡平君 統計を作成していないとまた言っている。
そのうち収容が原因だという判断の記載されたカルテ、これもつまり分からないわけですね。
○政府参考人(西山卓爾君) それにつきましても、業務上きちんと統計という形では把握しておりません。
○仁比聡平君 所内やあるいは外部の病院に被収容者を連れていくというときに、ドクターに、このウィシュマさんの件もそうですが、御本人じゃなくて周りの看守勤務者なり職員が経過や症状だったり生活だったりについて説明しているじゃないですか。この本人以外があれこれと本人の症状について説明しているというケースは何件あるか分かるんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねの件数についても、業務上統計を作成しておらず、お答え困難でございます。
○仁比聡平君 与党の皆さん、これ、そんな、統計上作成していないからもうこれ分かりませんよということで審議ができますか。皆さんの提出している、皆さんが政府案として出しておられる法案も、結局、社会的に必要な医療を提供しましょうという方向の議論だと、だから改善されると言っているんでしょう。
だけど、入管の中でこれまで何が行われてきたのか。我々はその収容に当たって司法審査を導入して人権保障するべきだと言っているけれども、皆さんそうではないと言うんだから、せめてこれまでどうなってきているのか、これどうやったら改善できるのか、その事実を明らかにするというのは、これは委員会の責任だと思いますよ。そこをはっきりさせないと前に進められないじゃないですか。
委員長、この今申し上げた点についても、資料の要求を、委員会として政府に対して要求すべきだと思いますが、よろしくお取り計らいお願いします。
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○仁比聡平君 続けて、その立法事実に関わって、私、この当委員会の四月十一日、先週木曜日ですけれども、送還忌避者とは何ですかということを問いました。まず、四月十一日にお尋ねをした、令和三年末で政府は送還忌避者三千二百二十四人だと言うと。その後、今日も御発言ありましたが、令和四年末では速報値で四千二百三十三人だと言っている。
この間とちょっと聞き方違うけれど、この一年間に送還をされた人、難民認定を受けた人、人道配慮あるいは在留特別許可を受けた、そして、又は死亡したなどの形で送還忌避者ではなくなった方、一方で、新たに退去強制令書が発せられて送還忌避者と判断した方、その数というのは、これ答弁できないですよね。
○政府参考人(西山卓爾君) 前回御答弁申し上げたとおり、答弁困難でございます。
○仁比聡平君 そうした出入りの数字、その実態ということをつかまずに、どういう方々が保護すべき方なのか、どういう方々が送還を迅速に行わなければならない方なのか、一体どれぐらいのボリュームあるいは人数いるのか、どう変遷しているのかと分からないじゃないですか。
この点も委員会として政府に報告を求めていただきたいと思いますが、委員長、いかがですか。
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○仁比聡平君 加えて、その令和四年末で四千二百三十三人というふうにおっしゃる数字は、つまり、十二月三十一日のその一日の時点で縦に割ってといいますかね、その時点において四千二百二十三人、入管が言う送還忌避者がいるんだということなわけですけれども。
お配りした一枚目の資料、御覧いただきたいと思いますが、この四千二百三十三人のうちには日本で生まれ育った十八歳未満の子供が二百一人いるということが、これ衆議院でも明らかになってきました。先ほど川合先生の議論の中でも問題提起をされている問題ですけれども、つまり、送還忌避者と入管が呼ぶ人たちの中にはこの二百一人の子供たちが含まれているわけですね。
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘のとおり、その十八歳未満の子供二百一人という数字は四千二百三十三人の内数でございます。
○仁比聡平君 そうした人たちを全部一くくりにして送還忌避者と呼んでみたところで、何の意味がありますか。
続けて聞きますけれども、この二百一人は日本で生まれたということのようですが、元々、出身国で生まれたけれど、乳幼児のときに親御さんと一緒に日本に来たという子供たちもこのほかにたくさんいらっしゃいますよ。実際、私たち、たくさん会ってきました。そうした子供たち、十八歳未満あるいは二十歳未満、二十五歳未満、どういうくくりで入管が調べられるのかよく分かりませんけど、そういう、日本で生まれたんじゃないけれども、日本で育ち、日本の学校に通い、自分の言葉は日本語ですと、渋谷に行って遊びたいですという子供たちはどれだけいるんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) 速報値でございますが、令和四年末時点の送還忌避者のうち十八歳未満の者ということになりますと、二百九十五人ということになります。
年代別の内訳を申しますと、七歳未満が六十八人、七歳から十二歳が百二十三人、十三歳から十五歳が六十四人、十六歳から十七歳が四十人の、合計で二百九十五ということでございます。
○仁比聡平君 そのうち、学校に通っている就学中という子、あるいは小学校、中学校、高校に通っていて、あるいは大学に通っていておかしくない年なんだけれども通えていない、特に義務制の未就学児というのは何人いますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 年齢はこちらで分かるんですけれども、その方が就学されているか否かにつきましては、当庁、所管していないことや、学校から当庁に情報が網羅的に入るという仕組みにもなっておりませんので、把握をしていないところでございます。
参考までにですが、学齢期の子供ということであれば、七歳から十二歳が百二十三人、十三歳から十五歳が六十四人ということになります。
○仁比聡平君 私たち、そうした非正規滞在の子供たちに対して、学校の、小学校や中学校の先生たちがどうやってこの子の生活やこれからを応援していこうかということと、本当に真剣な取組をしておられる方々のお話たくさん聞きますよ。
無国籍児の問題で去年秋の国会で相当なやり取りをしましたけれども、結局、無国籍児のことも、それからこの学齢期、あるいは日本で育っている子供たちのことも、実情、入管全く分からないまま送還忌避者と、四千二百三十三人いると一くくりにしているだけなんじゃないですか。
そこで、大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、私は、こうした子供たちやその家族というのは、法務省がこれまで言ってきたといいますか、今回の政府案の趣旨でもおっしゃっている迅速に送還すべき対象者ではない人たちがたくさん含まれていると思うんですよ。いや、中にはいるかもしれませんよ。だけど、これを一くくりにして忌避者呼ばわりするというのは、これは筋が通らないのではありませんか。
○国務大臣(齋藤健君) お子さんの話でありますけど、今回の法案の中におきましては、在留特別許可の判断の透明性を高めるために新たに考慮事情を法律で明示することとしていて、御指摘の家族関係についても、法律で明示された考慮事項のうち、家族関係又は人道上の配慮の必要として考慮されることとなると。最終的には個別の判断になると思うんですけど、私は、従来から申し上げておりますように、この子供の保護ということについては最大の関心を持っておりますので、その個別の判断の中でどこまでできるかということで判断をしていきたいと考えています。
○仁比聡平君 大臣が今答弁されている姿勢ですね、あるいは方向性、これは私大事だと思っているんですよ。これをこの法案の審議あるいは野党対案との一括審議の中でしっかり明確にしていくということが私たちのとても大切な責任だと思うんですよね。テーマだと思います。
そうした点で、改正案といいますか政府の入管法改定案の五十条、在留特別許可に関する申請というのを入れる、あるいは考慮事情を入れるとありますよね。その入れるという、その明記するという考慮事情として、在留を希望する理由、家族関係、在留期間、人道上の配慮の必要性や内外の諸情勢などというふうにおっしゃっているけれども、私は、こうした要素をちゃんと勘案するなら、これまでも在留特別許可が出されるべき方々がたくさんいるのではないかと。そうした在留資格が出されていない結果、今、退去、ごめんなさい、送還忌避者というふうに呼ばれている四千二百三十三人の中に、大臣がおっしゃるような現に日本で育っている子供たち、その家族というのは含まれているじゃないかと。
だから、これからの話じゃなくて、今現に送還忌避者として強制送還されるんじゃないかと恐怖を抱いている子供たちやその家族始めとした日本に在留している非正規滞在の人たち、この人たちにちゃんと保護するという、そういう責任が、大臣、あるんじゃありませんか。
○国務大臣(齋藤健君) これは従来からこの国会での質疑の中で私申し上げておりますけれども、もちろん今そういう状態にある二百一人にしても、二百九十五人でしたっけ、の子供たちについて、私は本当に重大なる関心を持って見ています。
ただ、一刀両断でこうすべきだということがなかなか言えないものですから、従来から答弁させていただいているように、真剣に今検討させていただいているということであります。
○仁比聡平君 在留特別許可を始めとして、日本で安心して暮らして、そして働ける。非正規滞在の特に若い世代の皆さんと最近たくさん話をしていて、みんな働きたいと思っていますよ。自分の力を生かして日本の社会に貢献したいとも思っているし、もちろん人間なんですから働いて食べていくのが当たり前だと思っていますよね。
そうした方々を非正規滞在扱いして、仮放免だから働けないなどとしながら、いきなり収容すると。そういう中で、長期、無期限の中で精神的な障害にまで至らしめてきたというのが、これまでの日本の入管あるいは難民認定制度の構造的な人権侵害の構造だと思うんですよ。ここを変えなきゃいけないと。
ちょっと念のため確認をしておきますけれども、その閣法五十条の三項に、在留特別許可の申請は、当該外国人に対して退去強制令書が発付された後はすることができないとあります。せっかく申請権を明記をしながら、退令が出た後は申請できないとしてしまったら、これまで辛うじて行われてきた再審情願、こういうのまでできなくなっちゃいませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 今御指摘のはいわゆる再審請願のところだと思いますが、これ、今回の入管法改正の目的の一つは、退去強制手続において、保護すべき者は確実に保護した上で、在留が認められない者を迅速に送還することと。そのためには、本法案では在留特別許可の申請手続を創設するなどして、退去強制手続の対象者に、在留特別許可の許否判断に当たり考慮すべき事情について十分な主張の機会を確保するということにしています。その上で、在留が認められず、退去強制令書の発付を受けた者については、やはり迅速に送還をすべきと考えています。
もっとも、退去強制令書の発付後に在留特別許可をすべき新たな事情が生じるように、例外的な場合もあり得ると思います。そこで、本法案でも、このような事情が生じた場合には法務大臣等が職権により在留を特別に許可することができることとしているわけであります。
○仁比聡平君 五十条の一項に申請又は職権でということにある、その職権でというのはそういう意味だということなんですけれども、いや、職権でということになったらこれまでと変わらないんじゃないですか。
やっぱり申請を必要とする、この野党対案においてもやっぱり権利性ということをきちんと認めていくということがデュープロセスの実現の上でとっても大事だと思いますが、石橋発議者、いかがですか。
○委員以外の議員(石橋通宏君) 御指摘の点、極めて重要でございまして、結局のところ、現在、例えば入管庁若しくは法務大臣による職権若しくは恣意的な運用、それが現行制度の極めて不透明な運用状況を生んでしまっているということで、我々野党案ではこの点についての手当てもさせていただいております。
我々の案では、退去強制令書が発付された後であっても、この再審情願、これを制度化させていただいて、適切な運用を促すことを可能にしています。当然、これは法務大臣が職権で在留特別許可等をすることを妨げるものではない。ただし、今申し上げたとおり、現状の運用で極めて恣意的に不透明性ある形で行われていたこと、これを、再審情願をきちんと制度化することによって、救済すべきを救済されるような制度設計をさせていただいていると、この点は極めて重要な対応だと思っております。
○仁比聡平君 ありがとうございます。
別の角度で入管庁にもう一つ数字を伺いたいと思うんですけれども、退去強制令書が発付された後どれくらいの期間がたっているのかと、その四千二百三十三人の方々それぞれですね。先ほど川合議員からもありましたけれども、もう長く、十数年とか二十年とか非正規の形でいらっしゃる方々、いらっしゃると思うんですよ。それが、その方々が皆、送還忌避者とくくられているのかどうかも分かりませんけどね。何しろ、退令を出して帰国意思を示さない人が送還忌避者だと言われているわけじゃないですか。であれば、退令を出して今日までどれぐらいの期間がたっているのかというの、これ分かるはずなんですけど、長い人でどれぐらいなんですか。
○政府参考人(西山卓爾君) そのお尋ねのもの、そのものずばりでいきますと、それは業務上統計を作成していないのでお答え困難ではございますが、こちらで把握しているものとして、送還忌避者のうちに仮放免中である者の仮放免期間、これについては統計といいますか数字を出しておりまして、それが、令和四年末送還忌避者につきましてですが、三年未満が一千三百八十四人、三年以上五年未満が二百七十一人、五年以上七年未満三百十二人、七年以上十年未満三百五十七人、十年以上四千、失礼、四百十二人となってございます。
○仁比聡平君 ざっと三千、四千弱ぐらい、多数の、数千人という規模で、つまり仮放免をして社会で暮らしていらっしゃる方がいらっしゃるということじゃないですか。その四千二百三十三人のうち、それだけに上る、後で足し算しますけど、それだけの方々をみんな一くくりにして送還忌避者と呼んで政府案を強行しようとすると、そういう立法事実はありませんよ。
大臣、その非正規滞在の人たちが、先ほども御答弁の中で言葉使われましたけど、いろんな事情の方々がいるということを正面から認めて議論しませんか、いかがですか。
○国務大臣(齋藤健君) 私、いろんな方々がいるのでなかなか制度的に一刀両断ではできない部分があるということを先ほど答弁させていただいたので、そういう認識でおりますが。
○仁比聡平君 そうした実態ということをしっかりこの委員会のテーブルにのせて、参考人質疑も含めて、共生と保護という、そうした法制度を議論するのが私たちの委員会の責任だというふうに思います。
今、にわかに統計を取っていないというふうにおっしゃいましたけれども、退令が出た後、今日に至るその四千二百三十三人の方々の期間について、それもこの委員会に提出いただきたいと思いますが、委員長、よろしくお願いいたします。
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○仁比聡平君 残る時間、いわゆる二次審査というふうに呼ばれている行政不服審査法に基づく審査請求の手続、ここに関わる難民参与員の問題について、先ほど来、福島議員、石川議員からも、それから川合議員からもお話がありました。昨日、弁護士の皆さんが記者会見をされたとおりなわけですね。
私、一点だけ入管にお尋ねしたいと思うのは、二〇〇五年にこの難民参与員の仕組みが始まってから、一体、口頭意見陳述が行われた件数というのはどれだけあるのかということなんです。いかがですか。
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねの件数につきまして、これまで入管庁において集計したものを御紹介いたしますと、平成二十九年が千六件、次は令和元年になりますが、令和元年が五百八十二件、令和二年が五百十三件、令和三年が七百二十件、令和四年が六百七十六件となっております。
○仁比聡平君 先ほど来、柳瀬参与員のことが問題になってきましたけれども、そもそも口頭審理が行われたのが総数で今の数字だということならば、その柳瀬さんという人が二年前の時点で、二〇二一年の衆議院参考人の時点でそのおおよそに関わっていたのかというみたいな話にきっとなるんですよね。だから、実際に参与員を務められた弁護士の皆さんから、いや、それはあり得ないという声が起こっているんじゃないですか。
私は、この今度の閣法というのは、この柳瀬さんという方は二一年法案の前提になったあの法務省の懇談会のメンバーでもあります。だから、こういう法案になっているんじゃないですかということを指摘をして、最後、山添発議者にお尋ねしたいと思いますけれども、この二次審査を含めて難民認定を独立した難民保護委員会で行おうとする我々の法案、野党対案の意義について御認識をお尋ねします。
○委員以外の議員(山添拓君) お答えいたします。
我が国では、出入国管理を行う入管庁が同時に難民認定も行うという制度をつくってきました。そのために公平性にも中立性にも欠ける運用がされてきた。衆議院の参考人質疑でも出身国情報の把握に弱さがあると指摘されていた。専門性や透明性が確保されていないという現状もあります。ですから、結果として、難民認定率が一%未満と極めて低い、保護されるべき外国人が適正に保護されない事態をもたらしてきたと言えます。
これは構造的な問題によるものであり、仁比委員から指摘のあったように、出入国管理行政は国家主権の行使として裁量が認められるものですが、そうではなく、難民保護条約上、条約に則して難民認定をしていく、裁量の余地のないこの難民認定については独立した機関で行っていこうというのがこの野党案の趣旨です。
これまでにもUNHCRなど国際機関から常々批判がされてきた難民不認定の処分ですが、今入管庁に改善の姿勢が見られず、審議中のこの閣法にも構造的な問題を解決しようという方向性は見られないと思います。
したがって、やはり職権行使に当たって独立して権限を行使できる合議制の機関である難民等保護委員会、いわゆる三条機関ですね、これを設置して難民等の認定と不服審査を担当させ、出入国管理と難民保護を行う主体とを分離する、これが必須だと考えたものです。
今、難民審査参与員の話を、指摘がありましたが、二年間で二千件に関わったという可能性が指摘されています。これが事実であれば、一年間で千件、平日毎日審査をしても一日四件の処理、これは物理的に不可能であろうというのは当然のことだと思いますし、もしこれが事実でないなら、立法事実を欠く、閣法の立法事実を欠くということになろうかと思います。
難民保護行政の公平性や中立性、あるいは専門性、透明性を揺るがす問題であり、スルーしたまま閣法を通すことは、これはあり得ないだろうということを述べたいと思います。
○委員長(杉久武君) お時間になりましたので、質疑をおまとめください。
○仁比聡平君 ありがとうございました。
次回に質問を続けたいと思います。