日本共産党大分県委員会と同地方議員団は10月13、14の両日、政府交渉を行いました。議員や候補者ら12氏が参加。8省60項目にわたる平和、暮らしの要求を政府に届けました。赤嶺政賢衆院議員、仁比聡平前参院議員が同席しました。
■演習場
「住民よりも米軍の要望を重視するのか」。強い反発の声が上がったのが、陸上自衛隊日出生台演習場で実施される米海兵隊実弾砲撃演習の中止を求めた対防衛省交渉です。
演習は過去7回実施。防衛省は「日米安保の目的達成のため、引き続き自治体の理解を得て(演習を)実施していきたい」としながら演習の展開・撤収日程や内容を「米側の要請」だとして明らかにせず、住民のなかに不安が高まっています。
夜間訓練や発煙弾(白リン弾)の使用、小火器訓練など、演習の規模も内容も拡大していると迫る参加者に、防衛省側は「日米合意の範囲を超えていない。(訓棟の)拡大ではない」と述べました。
■ばいじん
「部屋がざらざら」「洗濯物が干せない」など、住民が長年悩むのが新日鉄大分製鉄所からのばいじん被害。つつみ栄三県議は経産省に対し、企業の社会的責任として対策を講じさせるよう求めました。
この間、同省は党の再三の要請に応じ、6月に初めて現地調査しています。党側は今後の対策としてベルトコンベヤーをカバーで密閉する措置などを提案。担当者は「常に新日鉄とは情報交換している。早速伝えたい」と応じました。
■国保
自治体が窓口支払いを要しない現物給付方式で医療費助成を実施した場合、国は国保への国庫支出を減額する〝ペナルティー″を科しています。これをやめる
よう迫った党側に、厚労省は〝不必要な医療が増える〃との認識を示し、正当化。その根拠として「長瀬効果」を例示しました。
これは戦前の旧内務省時代から厚労省内で用いられ、「一部負担がない場合、医療費があがるという事象研究」(厚労省)ですが、「信頼性が低い」と疑問視されています。参加者は「治療受けさせないことを前提にするのはおかしい」などと批判しました。
■偽装請負
昨年3月、大分キヤノンで働いていた労働者らが大分労働局に「偽装請負」を申告。同局は労働者が示した証拠資料を「請負会社、キヤノンともに見たことがないと言っている」として、調査を進めていません。
党側は証拠に基づくさらなる調査を要請。厚労省は「申告は親身に受けてくださいと責任をもって(労働局に)伝えたい」としました。
交渉には、つつみ栄三県議、福田きみ子県議候補、別府市の平野ふみかつ、のだ紀子、えんど久子の3市議、中津市の川内やちよ、荒木ひろ子の両市議、日田
市の大谷敏彰、日隈知重の両市議、津久見市の知念豊秀市議、山下かい・党県青年学生部長らが参加しました。(しんぶん赤旗 2010年10月15日)