梅雨前線を追い、追いかけられるように、岡山県から沖縄県まで、広大な西日本17県を東奔西走中です。街頭演説で、「食うや食わずの国民に消費税増税、これを大企業減税の穴埋めに使うなんて・・・」。怒り心頭に発し、思わず「不公平ではありませんか!」。正義と情熱の弁護士は、とにかく熱い。

 故郷・北九州市の商店街。八百屋を営む女性(62)は「年金が少なすぎて家賃に消える。朝3時から夜10時まで働いているのに、10%になったら(消費税分を)お客さんからもらえない」。西鉄大橋駅前(福岡市)で演説に足をとめた女性(60)=自営業=も「お年寄りが豆腐の値段をみて買うかどうか悩むのに、10%なんて不届き千万よ」。

国会質問202回

 仁比さんの熱気は、街のすみずみまで伝わっていきます。 松山市駅前(愛媛県)。初めて共産党の演説を聞いたという梅木具盛さん(65)は、年金から家賃、税金を引かれると、残りは5万円ほど。「消費税増税は弱者に『くたばれ』といっているようなものだ」と憤慨します。「うば捨て山に捨てるような政治ではなく、最低限の生活が送れるようにしてほしい」

 沖縄・普天間基地問題の訴えには、ひときわ熱がこもります。

 「基地の耐えがたい苦しみはたらい回しではなく、取り除くのが政治の責任です」。汗を指で払い、ひたむきに訴える姿に「そうだ!」の声が飛びます。

 6年間、202回の国会質問は、「暮らしの現場からの切実な願いがぎっしり詰まっている」という仁比さん。

 水俣病の被害者は「仁比さんは患者の体の一部」と絶大な信頼を寄せ、「よみがえれ!有明海」訴訟の原告は 「唯一の漁民の議席」と必勝を期します。

 かつて″反共″を自認したB型肝炎九州訴訟の原告・窪山寛さん(63)=福岡市=も演説会に弁士として登壇。「共産党に躍進してもらい、B型肝炎の救済をお願いしたい」と声を張り上げました。

「同じ目線で」

 「大企業の横暴」の例えとして、どこの演説でも必ずふれる話があります。大企業の下請け単価たたきに苦しみながらも、億単位の借金をしてまで従業員の雇用を必死に守り抜く社長の話です。

 従業員の眞鍋彩紀さん(25)=岡山市=は、「仁比さんは泣きながら訴えを聞いてくれました。私たちと同じ目線で話してくれる特別な人です。普通に頑張る人を応援して、声をまっすぐ国会に届けてくれます」。

 議席を死守するため、「限界の限界に挑む」と意気込む仁比さん。「この6年で私もずいぶんたくましくなったのではないでしょうか。再び、あの国会の質問席に立たせてほしい」

(しんぶん赤旗 2010年7月6日)