性犯罪規定を見直す刑法等改正案の参考人質疑が6月13日、参院法務委員会で行われました。

 大阪大学の島岡まな副学長は、改正案によって、性交等への不同意を表明しても相手の圧力と恐怖で諦めてしまった場合でも、「(同意しない意思を)全うすることが困難な状態での性行為」として性犯罪になりうることから、「いままで涙をのんできた多くの被害者を救う可能性がある」と強調しました。(陳述要旨4面)

 日本共産党の仁比聡平議員は、武蔵野大学の小西聖子副学長が陳述で「法律がこれまでモデルとしてきた被害者像はあまりにも現実とかけ離れている」と述べたことをあげ、実態把握のために必要な調査についてただしました。(質問動画はコチラ)

 小西氏は、日本では性被害時・加害時の行動、心理に関する「実証的な調査が非常に欠けている」と指摘。実際に抵抗できる人がいないことやフリーズ(体が硬直)する人がどのくらいいるかなど、「ちゃんと検証できる大規模な調査をやるべきだ」と主張しました。

 加害者の行動変容の転機をつくるために政府に期待することは何かとの仁比氏の質問に、大船榎本クリニックの斉藤章佳精神保健福祉部長は「性暴力や性犯罪は学習された行動」「だからこそ、学習し直すことでやめることができる」と強調。加害者が「出所後も社会とのつながりをもてるような連続したかかわりが必要」だとして、「調整する機能をもっと強化してほしい」と訴えました。(しんぶん赤旗 2023年6月14日)