沖縄復帰の年、私は小学3年生でした。

 沖縄にちなむあまたの歌のなかで、鼓舞されてきた二つの曲があります。

 一つは言うまでもなく、「固き土を破りて民族の怒りに燃ゆる島」に始まる「沖縄を返せ」。

  米軍占領下、沖縄人民党のたたかいの発展のなか、荒木栄が安保改定阻止・三井三池闘争のなかで生み出したこの曲とともに、私は父に肩車され、「ベトナム戦 争反対」「爆撃機B52の出撃はやめろ」と小さな拳を振り上げました。米軍の軍事的植民地的支配を打ち破った「核兵器も基地もない平和で豊かな沖縄を」の 沖縄県民のたたかいに、少年だった私の心は燃え立ちました。憲法の上に安保条約を置き基地あるが故の苦しみを押しつけ続けようとする政治を変えるのは国民 の力です。

 もう1曲は、「海の青さに空の背 南の風に緑葉(みどりば)の・・・我(わ)した島 沖縄(うちなー)」とうたわれる「芭蕉布(ばしょうふ)」。

  沖縄への思いに駆られて買い求めたカセットテープが擦り切れるほど聴いたこの曲を、国政選挙をたたかうようになって、古里実吉元衆院議員をはじめ人民党以 来の先輩方とスクラムを組んで歌った夜は忘れられません。その大先輩方の座談会「沖縄5・15から40年 沖縄県民と党のたたかいから何を学ぶか」(『前 衛』6月胃)は圧倒的な説得力と確信に満ちています。

 祖国復帰40年のきょう、芭蕉柄のかりゆしを選んで沖縄にきました。那覇市寄宮(よせみや)の懇談会で、激戦地を逃げ惑いながら息子さんを産み落とした95歳のおばぁのお話を、前田政明県議とうかがいました。

 安保条約廃棄の党・日本共産党の、いよいよ出番です。赤嶺政賢衆院議員とともに、オスプレイ配備・辺野古新基地建設反対、普天間基地無条件撤去、米軍基地をなくし暮らしを守ってこそ。県議選・総選挙勝利を期して駆けめぐります。(しんぶん赤旗 2012年5月16日)