日本共産党の小池晃書記局長は3月27日、高松市で演説し、「参院選の公示まで3カ月を切った。『比例は共産党』と広げ、にひそうへい比例予定候補をはじめベストチーム5人全員の勝利を必ず。共産党の躍進で改憲や核共有をねらう『翼賛体制』づくりを止めよう」と熱く訴えました。演説会はオンラインでも配信され、240カ所で視聴されました。

 にひ前参院議員は「ウクライナ危機に乗じた核共有や改憲を進める自公、維新に参院で3分の2を取らせるわけには絶対にいかない。今度こそ国会で働かせてほしい」と力を込めました。石田まゆ香川選挙区予定候補があいさつしました。

 小池氏は、ウクライナ侵略に際してロシアのプーチン大統領が核兵器や生物・化学兵器の使用まで口にしていることを批判。「どんな被害が出ようとも核の使用をためらわないような指導者に『核抑止力論』など通用しない」と述べ、「核兵器を使わせないためには核兵器をなくすしかない」と強調。「唯一の被爆国である日本こそ核兵器禁止条約に参加し、核の恐怖のない世界をつくる先頭に」と力説しました。

 小池氏は、国連で24日、ロシアの無差別攻撃を非難し即時停止を求める決議を90カ国が共同提案し、140カ国の圧倒的多数で採決されたことを紹介し、「歴史は決して逆戻りしていない。平和を求める世界の圧倒的世論で侵略者の手を縛ろう」と呼びかけました。

 国内では、この危機に乗じて改憲や核共有を論じる勢力がおり、「なかでもひどいのが、米国との核共有の議論を求める提言を政府に出した日本維新の会だ」と指摘。「核共有とは核兵器の使用も認めるもので、プーチン大統領と同じ立場だ。維新に被爆国の政党としての資格はない」と批判しました。

 小池氏は、安倍政権以来6年間でロシアに200億円以上の経済協力を行い、岸田政権も来年度予算に21億円を盛り込んだと批判。「世界が経済制裁をしている時に許されない。ロシア支援の予算は全額止めて、ウクライナへの食料、医薬品や防寒着など非軍事支援に全力を」と訴えました。

 岸田政権は「新しい資本主義」と言いながら「所得倍増」も大金持ち優遇の金融所得課税の見直しもやめたと指摘。「もろい経済のあり方を大本から見直すカギは賃上げだ。経団連にお願いするだけでは駄目だ。賃上げせざるを得ないしくみをつくろう」と力を込めました。

 共産党が提唱する「やさしく強い経済」を示し、その財源としてアベノミクスで466兆円に積み上がった大企業への内部留保課税を説明。「中小企業支援とセットで時給1500円にして『賃金が上がる国』へ。共産党の国会質問を受けて大企業の男女の賃金格差を開示させる方向に。これが共産党の『成長戦略』です」と語りました。

 小池氏は、共産党への疑問に答える「はてな」リーフを縦横に語り、市民と野党の共闘に関わって、上智大学の中野晃一教授の「市民と野党の共闘には大義があり、すでに多くの成果を上げ、潜在的にも大きな力を持っています。攻撃に負けず、伸びやかに力を合わせて参院選をたたかいましょう」とのコメント(「赤旗」26日付)を紹介。「幅広い市民の後押しで共闘をさらに前へ」と呼びかけると会場は拍手に包まれました。

 小池氏は、共産党と立憲民主党が候補者調整の協議の開始で合意したと報告。「『本気の共闘』にするためには、政策の合意、対等平等、相互尊重の確認が必要だ。岸田政権に厳しい審判を下し、共闘発展の何よりの推進力となる共産党の躍進に力を貸してください」と訴えました。

 演説会後、小池氏は参加者とのつどいに参加し、入党を心から呼びかけ、初めて党の演説会に参加した女性(80代)と男性(50代)の親子2人が入党しました。男性は「9条を変えて自衛隊を海外に行かせるのはおかしい。平和を守りたい」と話しました。(しんぶん赤旗 2022年3月28日)