世界の連帯強めてこそ 「核共有」論の問題は

 ロシアの無法なウクライナ侵略に人々が心を痛め、戦争を止める道を模索しています。一方で安倍晋三元首相や日本維新の会などは戦争に乗じて「核共有の議論を」と放言。「憲法が生きる日本へ」を弁護士、政治活動の核としてきた、にひそうへい参院比例候補が説く「平和の秩序を取り戻す」方策とは――。(古荘智子)

 にひ候補は18日、宮崎県都城市、宮崎市の計3カ所で集いに出席しました。「はてな」リーフを使いながら「旧ソ連のチェコスロバキアやアフガニスタン侵略、中国による人権侵害を批判し、大国主義、覇権主義とたたかってきた日本共産党の姿を知ってください」と語りかけました。

●「国連は生きている」

 ロシアの蛮行に対し「国連憲章と国際法の立場から、侵略を断固糾弾する世界の連帯と団結を強めるのが戦争を止める一番の道」と力説。“国連は無力”などとする一部論調に「各国の世論の力で141カ国が賛成しロシア非難決議が採択され、ウクライナの大使が『国連は生きている』と語った。人道支援の中心も国連だ」と事実を示し反論しました。

 「核共有」論を「『力には力』というプーチン大統領と同じ論理で戦争は止められない」と批判するにひさん。参院選は「憲法を生かす日本」か「再び戦争する日本」かの未来像がぶつかりあう選挙になる―。改憲勢力の暴走を許さない党の比例5議席への躍進を訴えました。都城市の集いに参加した80代男性が入党を決意しました。

 宮崎市で党女性後援会の集いに参加した横山祐子さん(64)は「日本共産党に誤解を持つ人には、旧ソ連や中国の共産党と全然違うと説明している。『党名を変えれば』という家族がいるので『はてな』リーフを見せ、4月3日の演説会に誘いたい」と話しました。

●独自外交力弱い日本

 弁護士有志の集いでは「日本が攻められたらどうすると不安を持つ国民にどう答えるか」と質問が出ました。

 米中の覇権争いの下、米国が戦争を始めればいや応なく参戦させられる―安保法制や「敵基地攻撃能力」など、軍事対軍事の悪循環こそ危険です。いま大事なことは自衛隊をなくすかどうかではありません。安保法制を廃止します。自衛隊は将来、国民の圧倒的多数が「なくても安心」と考えたときにはじめて、憲法9条との矛盾解消に踏み出します。

 にひさんは「どの国からも攻め込まれない関係をつくることが大事」と強調。「平和秩序を維持し戦争にさせないため外交交渉や経済関係などさまざまな手を打つのが世界の到達点。日米同盟で米国に従属してきた日本は独自の外交力が弱い」と指摘しました。

●平和の枠組み強化を

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は年1000回もの会合を開き、話し合いで問題解決しています。「東アジアサミット」には米国、中国、ロシア、日本も参加。この平和の枠組みを強化する外交こそ進めるべきです。

 憲法9条を生かし、非軍事の支援と国際社会の団結を強める外交努力、唯一の戦争被爆国として核兵器の非人道性を発信し、廃絶の先頭に立つ日本へ。にひさんは「『黒い雨』訴訟をはじめとして被爆者の運動が核の非人道性を明らかにしてきた。日本が核兵器禁止条約に参加し、核兵器をなくす先頭に立つ政治に変えるため全力で頑張る」と決意を新たに締めくくりました。(しんぶん赤旗 2022年3月28日)