斎藤健法相に対する問責決議案が6月7日の参院本会議で自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組、沖縄の風などは賛成しました。
日本共産党の仁比聡平議員は賛成討論で、入管法改悪案の立法事実の根幹部分が崩れ、審議するほど大問題が噴出していると指摘。「入管難民行政と政府案が、底深い人権侵害の構造の中にあるからに他ならない。その反省もなく法案を押し通そうとする斎藤法相に法相としての資格はない」と主張しました。(発言要旨) (動画はコチラ)
仁比氏は「難民がほとんどいない」という難民審査参与員の発言を土台にした政府案の立法事実が崩れ、難民認定審査のずさんさが明らかになっても、3回目以降の難民申請者を強制送還しようとしていると批判しました。
仁比氏は、第2次安倍政権下の2015年以降、入管施設への収容を一時解かれる「仮放免」許可の厳格化や再収容が進められ、16年には東京五輪までの「送還忌避者」大幅縮減が掲げられたと指摘。そこに「送還ノルマ」を設け、無期限収容と一体の構造的人権侵害をもたらしてきたと批判しました。
また、大阪入管の常勤医師が泥酔し、暴言や不適切診療などを繰り返していた問題を、入管庁も法相も隠し続け、医療体制が改善したかのように言い続けてきたと批判。アルコール検査の報告文書を明らかにしても「答えられない」と隠し続ける入管庁に、「入管収容の改善や改革などできるはずがない」と指摘しました。
きょうの採決 職権で決める
問責決議案の否決をうけ法務委員会理事懇談会が開かれ、杉久武委員長(公明党)が8日の同委で採決を行うことを職権で決めました。日本共産党や立憲民主党は反対しました。(しんぶん赤旗 2023年6月8日)
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