日本共産党の仁比聡平議員が討論に立ち、統一協会による「すべての被害者を救済し、被害を根絶することが今国会の責務だ」と強調。被害の実態に照らして極めて不十分であり、「実効性を明確にするよう修正されるべきだ」と訴えました。
仁比氏は、同法案の最大の問題点は、4条の寄付勧誘時の禁止行為が、いわゆる困惑類型のみを対象としていることだと指摘。寄付が「必要不可欠」と告げることによって「困惑」させてはならないなど、すべての要件がそろわなければ取り消し権は認められず、政府の勧告・命令の対象にもならないとして、「植え付けられた責任感や使命感によって進んで献金させられている統一協会被害者とその家族を、この法案で救済できるのか」と強調しました。
仁比氏は、困惑類型に固執せずに、共産党が修正案で提起したマインドコントロール(洗脳)下の寄付勧誘を明確に「禁止規定」とする条文に改めるべきだと主張。「自由な意思を抑圧しない」などの配慮義務違反を仮に被害者側が主張・立証しても、それだけでは財産が戻ってこないと政府が認めていることを指摘し、「明確に禁止行為とし、取り消し権、勧告・命令という行政措置の対象とすべきだ」と求めました。
元2世信者の小川さゆり氏(仮名)が、被害者らが体調を崩しながらも統一協会被害を訴え続けてきた理由について「被害拡大の張本人の与党側に(被害救済の)動きが見られないから」と述べていると紹介。政府の不作為の根本には「岸信介元首相以来、自民党政治が統一協会と反共、改憲、ジェンダー平等への敵対で一致し、相互に利用し合い、重大な人権侵害の後ろ盾、広告塔になってきた、半世紀を超える深い癒着がある」と批判し、速やかに統一協会の解散命令を請求すべきだと迫りました。(しんぶん赤旗 2022年12月11日)