日本共産党の仁比聡平議員は6月13日の参院法務委員会で、刑法等改正案について、海外の知見なども踏まえた性暴力被害の深刻な実態にかんする大規模な調査を行うよう求めました。(質問動画はコチラ)

 仁比氏は、性暴力被害者が長期に被害を認識できなかったり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などのために被害の申告が困難な実態があることを指摘。法制審議会の議論では、小児期の逆境的な体験が健康や寿命に及ぼす影響や、虐待によって脳が萎縮するなど、米国の大規模な調査を踏まえた科学的知見が明らかにされていると述べ、「こうした観点をもって、政府がしっかり実態調査することが必要だ」と求めました。

 斎藤健法相は、改正案の付則で、性的被害の申告の困難さ等について、必要な調査を行うことが定められたことをあげ「実態調査の方法や範囲など、関係省庁とも連携して対応したい」と述べました。

 仁比氏は、NHKが昨年行った性暴力被害の実態調査には3万8千人以上の回答があり、被害にあった年齢が20歳未満とした人が74・6%だったことも紹介しました。こうした大規模な国民的調査も政府として行ったことがないと指摘。性暴力の被害を正当に回復するために5年延長される公訴時効のさらなる延長も必要だと述べ、踏み込んだ迅速な調査を求めました。(しんぶん赤旗 2023年6月14日)