○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、ただいまの動議に断固反対し、衆議院から送付された性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案、衆議院第一三号について、内閣委員会への付託に反対する討論を申し上げます。
野党第一会派、立憲・社民の皆さんが出席しておられません。このように強引に数の力で委員会付託を強行する進め方そのものが、この数年にわたる超党派の議論をなきものにする無節操ぶりであり、最も後れを取っているのが国会ではないかとの世論の批判を免れないものだと思います。本法案は、内閣委員会に付託せず、廃案とすべきであります。
LGBT理解増進法案は、元々、二〇二一年、自民党議員が会長を務める超党派議連が当事者との協議、各党間協議を重ねて作られました。ところが、自民党内の一部議員の強硬な反対意見によって国会提出が見送られてきました。当時、議連総会には多くの自民党議員が参加し、自民党として反対なのではないとか、法案提出に至らないことは残念などと次々と発言をしておられました。ならば、国会で審議し成立させるべきは二〇二一年の超党派議連案であるべきです。
ところが、衆議院内閣委員会では、自民・公明、維新・国民、超党派議連の合意を基にした立憲・共産案の三法案が一括審議となりながら、水面下の調整で突如、与党案を維新・国民案に修正することまで行われ、僅か二時間弱の審議で採決をされました。余りに拙速な本院への送付と言わなければなりません。
しかも、参議院に送付された本法案は、当事者の願いから余りにも懸け離れ、LGBTQの方々への理解増進どころか、差別助長とも言えるものであります。特に、全ての国民が安心して生活することのできることとなるよう留意するとの条文は、LGBTQ、特にトランスジェンダーの方が安心を脅かす存在であるかのような偏見に満ちた大宣伝の下で加えられた条文であります。
超党派議連と協力してきた当事者団体、LGBT法連合会、困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会は、昨日、理解増進法の衆議院可決に警鐘を鳴らす声明を発出し、以下のとおり厳しい非難の声を上げています。
すなわち、この法案は、私たちが求めてきた法案とは真逆の内容であり、当事者に更なる生きづらさを強いるものである、この法案は、当事者にとっての暗黒時代の到来につながるものとして最大限の警鐘を鳴らし、今が緊急事態であること、このままの法案が成立することは当事者コミュニティーにとって深刻な被害をもたらし得るものであること、成立に反対し、参議院における審議を行わないよう強く要望し、廃案とすることもやむなしの姿勢をもって全力でこの危機に取り組むとの声明です。
当事者が参議院での審議にこれほど強く危機感を持って反対の声を上げていることを重く受け止め、本院では審議をせずに廃案とすべきであります。
LGBTQの方々の抱える苦しみは、自分は生きていてよいのかという苦しみであり、命に関わるものです。数の力で審議、採決を押し切ることは断じて許されない、そのことを改めて強く申し上げまして、意見といたします。