「非正規切り」「雇い止め」の〝総本山″ともいえる大分県の誘致大企業・大分キヤノン。昨年末に同社を解雇された「請負」労働者らが大分労働局に対し、「偽装請負」を申告し、直接雇用(正社員化)を求めて、現在もたたかっています。日本共産党の仁比聡平参院議員は10月5日、大分市入りし、労働者を激励、懇談しました。
大分キャノン 「偽装請負」申告
「偽装請負」の申告は今年3月末。大分キヤノンを解雇された元「請負」労働者9人です。大分地域労組大分キヤノン・日研総業分会(平野孝治分会長)に結集し、たたかっています。
申告に対し「問題はなかった」「偽装請負ではない」として早々に〝幕引き″を図ろうとする労働局に対し、「キヤノン側からの指示がなければラインは動かなかった」(組合員)などとする証言、事実を一つひとつ突き付け、詳細な調査を行うよう迫っています。
「労働局はまともに調査しているのか」との不信感が広がる一方で、「棚卸し」にキヤノン社員が立ちあっていたなど、一部、キヤノン側が認めざるを得ない事実もでてきました。
仁比氏は「偽装請負を裏付ける事実を突き付けた結果が、いま実り始めている」と述べ、組合員らの奮闘を激励しました。
同分会は直接の雇用主だった日研総業との間では、4月末に「解決金」を引き出すなどして、一定の合意解決をしています。しかし、大分キヤノンは組合員らとはいっさい会おうとはせず、「まだキヤノンとの間では何も終わっていない」(組合員)状態です。
他方、雇用情勢は厳しく、やむなくキヤノン子会社に派遣社員として、戻る組合員も複数出てきました。
懇談のなかで仁比氏は、今後のたたかいの課題として▽失業保険の延長など緊急雇用対策を拡充させる▽現行法制下でも大企業に雇用の社会的責任を果たさせる▽労働者派遣法を抜本改正させる――ことをあげました。
その上で、直接雇用(正社員化)を勝ち取るたたかいは、「大企業の身勝手に対する最大の反撃だ」と強調し、今後とも協力を惜しまない考えをあわせて表明しました。
解雇からまもなく1年。組合員らは、この悔しさを忘れたくないとして解雇された日を記念するため、11月末から12月にかけて、宣伝や集会など「なんらかの行動を起こしたい」(平野分会長)と話しています。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年10月7日)