パナソニックグループの広域配転を告発する仁比そうへい


トヨタ九州


 2008年夏、800人規模の派遣労働者期間エを解雇し、「派遣切り」の引き金を引いたトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)。

 仁比そうへい参院議員・比例候補は同11月、トヨタ九州に乗り込み、解雇の中止、雇用確保に努めるよう直談判しました。

 部品を必要な時に必要な数だけ調達する卜ヨタ特有の「かんばん方式」を引き合いに、「部品だけでなく働く人も『かんばん方式』になっているのではないか。このままでは大企業の社会的責任を果たせず、労働者の生活は深刻な事態になりかねない」と警告しました。

キヤノン

 08年末、大分キヤノン(大分市など)は1200人の非正規労働者を解雇。仁比さんは 国会が閉幕した12月25日夜、ただちに現地入りし、労働者と懇談、激励しました。

 労働者らは偽装請負の実態を詳しく説明し、「キヤノンは解雇 した後も期間工の募集をしている。切った人を雇い入れるのがスジだ」と憤慨。翌26日、仁比さんは大分労働局に対して労働者の声を突き付け、「適正な請負といえるのか」と厳しく迫り、調査・是正を要求しました。労働局長は「情報提供をいただいて、放置するわけにいかない」としました。

 解雇された労働者らは09年3月、労働局に「偽装請負」を告発。仁比さんは「直接雇用を求めるたたかいは、大企業の身勝手に対する最大の反撃だ」と激励し、運動を支えています。

パナソニック

東村高江を調査する仁比そうへい

 佐賀県鳥栖市のパナソニックグループの工場で、正社員900人に山梨県や大阪府への配転が強要され、事実上の解雇を迫られていた問題を仁比さんは参院予算委員会(09年5月)で告発。

 労働者一人ひとりを「必要」「余力」などとあからさまな選別をした内部文書を示し、「労働者の自由な意思決定を妨げる退職強要は違法だ。直ちにやめさせよ」と徹底追及しました。

 委員会室にも「これはひどい」どの声があがりました。舛添要一厚労相(当時)は「(労働法を)守らないと企業としての資格はない」と答弁しました。

 質問直後、「心を打たれました。労働者の権利と生活、家族を守ろうという真剣さを感じました」(福岡市・男性)など、多くの電話やメールが寄せられました。

NEC

 NECセミコンダクターズ(現・ルネサスセミコンダクタ)九州 ・山口(熊本県)は08年末から翌3月にかけて「生産縮小」を理由に非正規労働者を解雇。労組を結成した3人が、「偽装請負」を告発しました。熊本労働局はその後、直接雇用の推奨指導をしましたが、同社は従っていません。

 09年11月の参院予算委員会で仁比さんは「現行法のもとでも企業の社会的責任を果たさせるべきだ」と迫りました。鳩山首相(当時)は。「違反の事例が続かないよう積極的に動いてみたい」と答弁。翌日、質問を知った同社から労組に「交渉したい」との連絡が入りました。

 労組員の一人で、質問も傍聴した柴田勝之さんは「大企業を動かすインパクトのある質問だった」と語りました。

(しんぶん赤旗 西日本のページ 2010年6月12日)