政府が秋田、山口両県に配備を狙う陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」をめぐり、日本共産党の仁比聡平議員は6月3日の参院決算委員会で、「生活・生業(なりわい)のど真ん中に超強力レーダーと迎撃ミサイル発射の巨大基地を新設するものだ」として地元の怒りや不安を示し、計画撤回を迫りました。
仁比氏は、防衛省が電波環境調査を行い両県に「住民の健康に影響はない」と報告したが地元の反対は強いと強調。山口県萩市のむつみ演習場に隣接する阿武町議会が全会一致で採択した配備計画撤回を求める請願書や町長の反対表明は「住民の総意」であり、「配備ありきの押し付けは許されない」とただしました。岩屋毅防衛相は「最終的に決めたわけではない」としつつ、「引き続き説明を重ね理解を得たい」と配備方針に固執しました。
仁比氏は、地元説明会で「機密」を理由に住民の不安に答えない政府の姿勢が不満を広げていると指摘。阿武町の移住促進への自然を生かしたまちづくりの努力が実り、農林水産業でも長年の苦労で産品ブランド化や若手の新規就農が進んでいると紹介すると、片山さつき地方創生相も「非常にいいパフォーマンス」と評しました。仁比氏はその努力を壊すのがイージス・アショアだと述べました。
レーダーの悪影響の問題では、実測調査が実機による検証でなく、不安はぬぐえないと指摘。迎撃ミサイルの部品落下の危険でも、「100%海に落ちるとは言えず地上での落下がありうる」とただし、岩屋氏は「確定的に答えることは困難」と否定しませんでした。(しんぶん赤旗 2019年6月4日)
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