参院憲法審査会は4月5日、憲法上、衆院解散中に内閣の求めで開くものとされている参院の緊急集会について、参院法制局から報告を受け、意見交換を行いました。
川崎政司参院法制局長は、明治憲法にあった緊急勅令や緊急財政処分の条項が現行憲法にないのは、「民主政治を徹底させ、国民の権利を十分擁護するために、政府の一存において行われる措置は極力防止しなければならない」との趣旨であり、その担保として参院の緊急集会が規定されたと述べました。
日本共産党の山添拓議員は、参院の緊急集会についての議論の先には、「緊急事態条項を創設する狙いがある」と指摘し、東日本大震災やコロナ禍でも憲法に緊急事態条項がないために対応できなかった事態は起きていないと批判。「国会の機能」維持と言うなら、「専守防衛」を投げ捨てた「安保3文書」の閣議決定など「国会軽視の政治こそただすべきだ」と述べました。 (質問動画はコチラ)
日本共産党の仁比聡平議員は、改憲議論における緊急事態条項案の典型である2012年の自民党改憲草案は、立憲主義に基づく憲法秩序を停止するものに他ならないと指摘。同党は大規模感染症や災害などを改憲の口実にするが、「憲法13条が定める『個人の尊厳』こそ緊急時対策の根底に据えるべきだ」と述べました。 (質問動画はコチラ)
立憲民主党の杉尾秀哉議員は、「議員任期延長のための改憲には明確に反対する」と述べました。(しんぶん赤旗 2023年4月6日)