院選の「1票の格差を是正するため」として、人口の少ない4県を二つに合区し、全体で定数を「10増10減」する自民党と4野党提出の公職選挙法改定案が参院本会議で7月24日、自民、維新などの賛成多数で可決されました。来週にも衆院で採決され成立する見通しです。
同法案に日本共産党は反対しました。
改定案は「鳥取・島根」「徳島・高知」をそれぞれ合区し、定数を4減らします。また北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の5選挙区の定数を各2増やし、宮城、新潟、長野を各2減らします。
日本共産党の仁比聡平議員は反対討論に立ち、自民・4野党案は「当面の格差を3倍におさめようというものにすぎず、抜本改革を先送りするものだ」と批判。合区対象の4県から強い反発を招いていることについて「都道府県単位の選挙区を基本的に維持しながら、人口の少ない県と隣接する県には適用しないという矛盾から生まれる制度上の不公平だ」と指摘しました。
仁比氏は、民主・公明などが提出した「10合区」案も「同様の問題が生じる」と述べ、同案への反対を表明しました。そのうえで、今後とも比例中心の選挙制度とする抜本改革にむけ奮闘する決意を述べました。
仁比氏はまた、両法案が政治・倫理選挙特別委員会での審査も省略されるなど不十分な審議で採決されることに強く抗議。「選挙権は国民の参政権の根幹をなす基本的権利であり、選挙制度は議会制民主主義の根幹だ。主権者国民に開かれた議論が不可欠だ」と強調しました。
合区対象の4県選出の自民党参院議員6人全員が採決前に退席しました。(しんぶん赤旗 2015年7月25日)