西日本豪雨災害の現地調査で最初に訪れた8日の広島市安芸区矢野の避難所。まず声をかけたのは体育館の外の通路で飼い猫と寝泊まりしていたAさん(51)夫妻でした。

 2日前の夜、泥まみれで逃げてきました。「温かい食事を食べていますか」と心配すると、妻(49)は「のどを通りません。猫も食べてくれません」と訴えました。

 土砂が流れ込んだ団地では川になった道を歩き、要望などを尋ねました。案内した女性(80)は「被災者に寄り添って熱心に話を聞いてもらいました。うれしかった」。

 夜、陸の孤島だった呉市に船で入りました。深夜に広島市に戻ると、翌早朝には宿舎を出て再び呉へ。引き返して東広島市を訪ねた後、愛媛県に渡りました。

 6日に発足した党災害対策本部の事務局長。国会に戻ると、被災地の党とともに国に被災者の声を届け、避難所に大型のエアコンを設置させるなど国を動かしています。

 2日目の呉市の路上で、50代の女性に「昨日も来ていましたね」と呼び止められ、懇願されました。「水と食べるものがありません」。スーパーは閉まり、避難所も似た状況でした。

 「すぐに届けて被災者を励まそう」。仁比氏の提案に、呉市の党は翌朝から野菜などを避難所に届けました。「仁比さんはみんなを元気にする。救援活動を後押ししてくれました」。1期目の久保あずま市議(58)は言いました。

 「憲法を生かす熱血弁護士」です。国会が事実上閉会した翌21日、四国最南端の高知県土佐清水市の演説会へ。昨年の衆院選で市民と野党の共同の力が勝利した地元です。東京から8時間かけて駆けつけ「本気の共闘をつくり、安倍政治を終わらせ、憲法が生きる新しい時代を切り開こう」と呼びかけました。

 この日、2週間前に出会ったAさんの名前をメモも見返さずに口にしました。「忘れません。ずっと、どうしているかと気にかけています」。被災者の言葉を胸に刻み、苦難の解決へ駆け続けます。(しんぶん赤旗 2018年7月30日)


仁比聡平(にひ そうへい)

1963年北九州市生まれ。京都大学法学部卒。参院議員2期目。党中央委員、党参院国対副委員長、弁護士。
【活動地域】中国・四国・九州・沖縄