投票日まで1カ月を切った参院選に向け、日本共産党の小池晃書記局長は6月12日、松山、高知両市で街頭演説し、にひそうへい氏ら比例予定候補5人の勝利で日本共産党を躍進させ、自民、公明、維新、国民各党による憲法9条改悪と大軍拡の流れを止めようと力を込めました。

 小池氏は、ロシアのウクライナ侵略を糾弾し、国民が抱く不安に乗じて憲法9条改定や軍事費の大幅増に加え、核保有まで言い出している自民党を批判。岸田文雄首相が保有検討を明言している「敵基地攻撃能力」は専守防衛を投げ捨てるもので、安保法制がセットになれば「日本が攻撃されていないのに、米国と一緒に攻撃することになる。相手から見れば日本による先制攻撃に他ならない。報復で日本中が戦場になりかねない」と、その危険性を語りました。

 自民党が唱える軍事費の国内総生産(GDP)比2%以上への増額について「今の2倍以上、5兆円もの増額になる。これだけあれば大学授業料も小中学校給食も全国で無償にできる。あるいは高齢者も若者も医療費窓口負担ゼロにできる。税金の使い方が間違っている。暮らしも平和も押しつぶす大軍拡を止めよう」と訴えました。

 さらに、日本維新の会の松井一郎代表が11日に長崎市で、長崎への原爆投下に触れながら「抑止力を持たないといけない。タブーなき議論が必要だ」と発言したとの報道(「朝日」)について、「あろうことか長崎で核の使用を前提とする『核抑止』をあおる演説をした。長崎への原爆投下で16万人超が犠牲になり、今も多くの被爆者が苦しんでいる。維新には被爆国の政党の資格はない」と批判。「『タブーなき議論』というが、核をめぐって議論の余地はない。核兵器は根こそぎ命を奪い、未来にまで大変な被害を与える絶対悪の兵器だ」と強調し、「『タブーなき議論』などと言えば、『核に対しては核』、非核三原則を見直して日本も核保有をといった議論になりかねない。共産党は歯止めなき議論を断固拒否する」と力を込めると、集まった人たちが大きな拍手で応えました。

 「どうやって日本の平和を守るのか」に話を進めた小池氏は「ロシアのウクライナ侵略、中国の尖閣諸島への侵入、北朝鮮のミサイル発射は断じて許されない」とした上で、「しかし、軍事で対応すれば、軍事対軍事の悪循環に陥ってしまう。共産党は、中国なども包摂し、東アジアに平和と協力の枠組みをつくる徹底した外交努力を主張している」と紹介。東南アジア諸国連合(ASEAN)の徹底した対話の取り組みを挙げ、「この枠組みを東アジアに広げるために、9条をもつ日本こそ先頭に立つべきだ」と述べるとともに、「政治の仕事は戦争を未然に防ぐ外交努力だ。軍事一辺倒では誰も幸せにならない。悲惨な戦争に行き着くだけだ。反戦平和を貫いて100年の共産党を伸ばし、戦争を止めよう」と力を込めました。

 小池氏は松山市で、岸田自公政権に厳しい審判を下す立場で、高見ちか愛媛選挙区予定候補(無所属)を自主支援すると表明。高知市で、市民と野党の代表、共産党の松本けんじ徳島・高知選挙区予定候補の必勝を訴えました。

 松山市では、にひ予定候補がメッセージを寄せ、片岡朗比例予定候補があいさつ。参院会派・碧水会の、ながえ孝子議員がメッセージを寄せました。

 高知市で、にひ予定候補は「戦争か平和かが正面から問われる選挙だ。ASEAN(東南アジア諸国連合)が呼びかけた東アジアサミットをアジア全体の対話と平和の本当のしくみに発展させていこう。戦争の心配のないアジアをつくろう。もう一度国会で働かせてください」と訴えました。

 松本けんじ徳島・高知選挙区予定候補は「大企業・富裕層ばかり優遇する政治から、本当に暮らしを政治が支える社会に切り替えていこう。自己責任を乗り越える選挙にしよう」と呼びかけました。(しんぶん赤旗 2022年6月14日)