参院国土交通委員会は4月18日、住まいの確保が困難な人への支援策として、空き家等を活用する新制度をつくる住宅確保法改正案を全会一致で可決しました。
新制度は主に、空き家等を、低所得者や高齢者、障害者、被災者など「住宅確保要配慮者」の「入居を拒まない」民間賃貸住宅として登録。自治体が要配慮者の円滑な入居を支援し、登録物件の家主へ家賃・改修費を補助するものです。
採決に先立つ参考人質疑で、ホームレスについて調査・研究する「ARCH(アーチ)」の土肥真人東京工業大学准教授は、ホームレスの多くは月数万円の収入を得ており、住居費を支援すれば自立できるとして、家賃補助の重要性を強調。本法案に明記して予算を増やすよう訴えました。
塩崎賢明(よしみつ)立命館大学特別招聘(しょうへい)教授は、公営住宅の役割と国の責任を改正案に位置付けるべきだと指摘。被災者の定義を「発災から3年」と限定すべきでないと主張しました。
日本共産党の仁比聡平議員は、家賃負担が年金収入の77%に上る例を示し、家賃補助制度のあり方を質問。塩崎氏は「本来、借りる本人に支給すべきだ」と答えました。(しんぶん赤旗 2017年4月19日)