日本共産党福岡県委員会や県議団、福岡・北九州両市議団が11月19、20の両日におこなった政府交渉では、人工島の15㍍岸壁計画中止、保育所の最低基準緩和反対などのほか、米軍板付基地の返還なども求めました。仁比聡平参院議員や篠田清参院選挙区候補も参加しました。

 福岡市東区の人工島については先月、市が新たな事業計画をまとめました。すでに一つある水深15㍍の岸壁に加え、将来的にはさらにもう一つ整備を計画しているとしています。

 計画をやめるよう求めたのに対して、国土交通省の担当者は「(岸壁について)採択も何もしていない。地元からの要望があれば検討ということになる。一つ供用を開始しており、もうひとつというのは今のところないよねという感じ」と回答。今後、要請があれば博多港全体の貨物量の推移などをみながら必要性を検討するとしました。

 倉元達朗福岡市議は、新計画がもう一つ岸壁をつくることを前提に立てられていることや、事業計画は4回目の変更に及んでいることなどを指摘。「国がイニシアチブを発揮して市に対してやめるよう働きかけてほしい」と求めました。

 保育所をめぐって福岡市は、待機児童が680人(10月1日現在)、定員を大きく超えて200人以上を入所させている園も少なくないという状況となっています。

 要望では、認可保育所の新設支援や国が施設面積基準を緩和しようとしていることに対して、現状ではさらなる「詰め込み」の危険性もあることから緩和しないことを厚生労働省に求めました。

 担当者は、面積基準緩和について「一時的、特例的措置ではあるが、福岡が特例の対象になるかは現在、詰めている」としました。

 綿貫英彦元福岡市議は「一時的な措置として現在の定員の規制緩和が行われた。そこでどんどん詰め込みが起こって200人を超す保育園が生まれている。さらに緩和されればもっとひどい状況になる」として新設を増やすよう迫りました。

 北九州市では昨年から厚生労働省の低学年を対象として登録型で実施する「放課後児童クラブ」と文部科学省の全学年を対象として全希望者が参加できる「放課後子ども教室」を一体的に実施しています。

 認識を問われた厚労省の担当者は「多様なニーズに対応できるように連携させながら両者を拡充させていくという趣旨」と回答。藤沢かよ北九州市議は「子ども教室は誰が来るかわからず、児童クラブの指導員は混乱している。目的が違うものを一緒にしていいのか」として改善を求めました。(しんぶん赤旗 九州沖縄のページ 2009年11月22日)