日本共産党の仁比聡平議員は8月10日の参院災害対策特別委員会の閉会中審査で、九州北部豪雨の被災者、農業者、小規模事業者が生活や生業(なりわい)の再建を1人たりとも諦めることのないよう、国が全力を挙げて支援するよう求めました。
仁比氏は、共産党の現地調査をもとに、かつてない土砂や流木が流れ込み、地域が丸ごと壊滅的な打撃を受けた被害の実態を紹介。東日本大震災後、「被災者一人ひとりの生活再建を図る」ことを明確にした改正災害対策基本法を踏まえた国の支援を強く訴えました。
小此木八郎防災担当相は「おっしゃる通りだ。これまで経験のない異常事態で、甚大な被害が発生した。被災者が抱える不安を一つでも多く除去するため全力を挙げたい」と述べました。
仁比氏は、福岡県朝倉市の特産である柿の被害について、「根元の土砂除去や、消毒・収穫のための農道の復旧が急務だ」と強調。災害復旧事業の査定前着工制度の活用について、自治体が農業協同組合(JA)に作業を発注し、JAが地元生産者を担い手に採用すれば、公費から日当を出して被災生産者の収入をつなぐことができるなどと指摘しました。
農林水産省の奥田透整備部長は、仁比氏の指摘するような措置が、「制度上可能だ」と答えました。
仁比氏は、小規模事業者への直接支援も強く要請。小規模事業者持続化補助金を活用するとした中小企業庁の高島竜祐経営支援部長に対し、「大きな一歩だが、直接支援がどうしても必要だ」と迫り、事業の再建に不可欠な建屋や設備・機械などの復旧費用への支援を求めました。(しんぶん赤旗 2017年8月11日)