政府は12月11日までに、日本共産党の仁比聡平参院議員が提出した「『黒い雨』地域の地域指定の拡大に関する質問主意書」にたいし、「現在の指定の範囲を見直すことは考えていない」などとする答弁書を決定しました。
仁比氏は、11月27日付の質問主意書で、広島市への原爆投下による「黒い雨」の降雨地域の指定が、降雨の少なかった地域を含んでおらず、実際の降雨地域と相違していることを指摘。指定外地域の学校でも放射線障害と思われるがんなどによる若年死亡率が、原爆の影響のない地域にくらべ非常に高く、実態に即した指定地域の拡大が必要と求めていました。
今回の政府の答弁書は、新たな科学的な検討もしないまま、「指定地域」外では「放射線による健康への影響があったという科学的かつ合理的な根拠はみとめられなかった」と結論付けています。
ここに示された政府の立場は、1日に成立した「原爆症認定集団訴訟の原告を救済するための基金法」にある、実態に即した援護策の充実とは相反するものです。(しんぶん赤旗2009年12月12日)