参院法務委員会は12月8日、自民、公明、民進3党提出の「部落差別」永久化法案(部落差別解消推進法案)を日本共産党以外の賛成多数で可決しました。日本共産党の仁比聡平議員は質疑打ち切りに厳しく抗議し、反対討論で、部落差別を固定化・永久化する重大な危険性を持つ同法案は断じて許されないと批判しました。
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仁比氏は、法案が「差別解消」のための「理念法」といいながら、部落問題解決の歴史に逆行して新たな障壁をつくるものだと指摘。社会問題としての部落問題は基本的に解決された到達点にあると述べ、偏見に基づく言動に対しては「地域社会で受け入れられないという民主主義の力を強めていくことが重要だ」と強調しました。
さらに、提案者が「(差別の存在を)肌で分かっている」などと述べるだけで、何をもって部落差別とし、差別がどのように存在するかを具体的に示せなかったと指摘しました。
仁比氏は、部落差別の定義もなく、提案者の「部落の出身者であることによる差別」との答弁は「解同」(部落解放同盟)の考え方と同じだと指摘。定義がどこまで広がるのか極めて曖昧で、運動団体の圧力で行政の主体性が失われれば、「乱用による表現や内心の自由が侵害される危険は重大だ」と強調しました。
さらに仁比氏は、同法案で推進しようとする「施策」「相談体制」「教育・啓発」などの条文は無限定で、不公正な同和行政による特権と利権の復活が懸念されると指摘。また、行政に義務付けられる「実態調査」が旧同和地区住民を洗い出し、それ自体が国民の内心を侵害するものだとして、「新たな壁をつくりだす強い危険がある」と批判しました。(しんぶん赤旗 2016年12月9日)
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