20161210_1868706 参院本会議で12月9日、自民、公明、民進3党提出の「部落差別」永久化法(部落差別解消推進法)が、日本共産党以外の賛成多数で可決・成立しました。日本共産党の仁比聡平議員は討論で断固反対を表明し、“恒久法”である同法が、部落問題解決の歴史に逆行し、差別を固定化する危険は極めて重大だと指摘しました。

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仁比氏は、「部落問題の解決は、民主主義の前進を図る国民の不断の努力を背景に大きく前進した」と強調。国の特別対策の終結から14年を経て「社会問題としての部落問題は、基本的に解決された到達点にある」と述べました。

また、何を「部落差別」とするか法案は極めて曖昧で「乱用によって表現や内心の自由が侵害される重大な危険がある」と指摘しました。

 

仁比氏は、八鹿高校事件をはじめ数々の暴力的「確認・糾弾」を引き起こしてきた「解同」(部落解放同盟)が、今日も「糾弾の取り組みを堅持する」としていると告発。「民間運動団体の行き過ぎた言動、その圧力に屈した行政の主体性の欠如が新しい要因となり、新たな差別を生むことこそ歴史の教訓だ」と指摘しました。

 

さらに、「差別解消」の「施策」などの条文は無限定で、同和利権の復活は排除されていないとして「運動団体の『あれも差別、これも差別』といった圧力の根拠となり、施策が強制されかねない」と警告しました。

 

仁比氏は、行政に義務付けられる「実態調査」が旧同和地区住民を洗い出し、国民の内心を侵害し、国民の間に新たな障壁をつくり出す危険があると指摘。「部落問題についての自由な意見交換を困難にするものであり、問題の解決に逆行することは明白だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2016年12月10日)