参院憲法審査会が12月6日、開催され「憲法に対する考え方」をテーマに各党各会派が意見表明し、意見交換しました。
日本共産党の仁比聡平議員は、自民党が改憲の動きを加速するもと、改憲原案を審査する憲法審査会を動かすことは「重大な危険をはらむ」とし、審査会を動かすべきでないと訴えました。仁比氏は、植民地支配とアジア・太平洋戦争の深い反省に立つ日本国憲法の9条が「日本のアジアと世界に対する国際公約であり、国際社会の『戦争違法化』を徹底した『世界の宝』」と強調。「憲法の諸原則に立って政治を変えることこそ、私たちの責任だ」と主張しました。
安倍首相による、9条1項、2項を残しつつ自衛隊を明文に書き込むとした改憲案に対しては、「単なる自衛隊の現状追認にとどまらない」と批判。歴代自民党政権が日米安保条約のもとで自衛隊の増強を重ね、「憲法と矛盾する現状をつくり上げてきた」と指摘し、9条に手を加えることは、軍事と決別して発展してきた「戦後の日本社会の在り方を根底から変える」と批判しました。
民進党の白眞勲議員は憲法9条への自衛隊明記は「集団的自衛権の合憲化だ。到底許されるべきものではない」と批判しました。
一方、自民党の磯﨑仁彦議員は、9条への自衛隊明記について「具体的な条文を議論している」と述べ、「憲法を論じることは国会に課せられた重大な使命だ」と本格的な改憲論議の推進を訴えました。
日本維新の会の浅田均議員は「国会が国民から国民投票の権利を奪うべきではない」と述べ改憲発議をめざす姿勢を強調。希望の党の松沢成文議員は「どの条項を具体的に変えて国民投票で聞くべきか、しっかり審議を積み重ねたい」と改憲推進を訴えました。
意見交換で、日本共産党の吉良よし子議員はペシャワール会の中村哲医師の「9条を守ることこそが現地で活動する日本人の命を守る『安全保障』だ」という発言を紹介。山添拓議員は「9条を持つ日本であってこそ、武力によらない平和という世界の流れと北朝鮮問題の解決に貢献できる」と述べました。(しんぶん赤旗 2017年12月7日)