国営諫早湾干拓事業(長崎県)で、潮受け堤防排水門の開門を強制しないよう国が求めた請求異議訴訟の差し戻し審第2回口頭弁論が7月3日、福岡高裁(岩木宰裁判長)でありました。
国側は、福岡高裁が2010年の確定判決で命じた開門の強制が原告・漁業者側の「権利の乱用」にあたるとし、諫早湾周辺の漁獲量が回復傾向にあると主張しました。
漁業者側は、権利の乱用が認められるには誠意をもって行動する原則に著しく反するなど「極めて例外的な場合に限定」されると、最高裁判例に基づき指摘しました。
口頭弁論後の報告集会で、馬奈木昭雄弁護団長は「国こそ背信的な主張だ。漁獲量もどうして回復したと言えるのか。統計資料はどうやってつくられたのか説明を求める」と厳しく指摘しました。
佐賀県太良町のノリ養殖業者(50)は「3年くらいかけて大きくなる二枚貝タイラギなどがとれ始めたら有明海が豊かになったと言える。国の都合のいい数字だけを持ってくるなんてあり得ない」と憤りました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員、弁護団の仁比聡平前参院議員があいさつ。田村氏は「党派を超えて開門せよとの共同を広げてこれからもみなさんと一緒にたたかっていきたい」と述べました。(しんぶん赤旗 2020年7月5日)
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