4月に長崎県平戸市沖で巻き網漁船第11大栄丸が沈没した事故で、行方不明となっている乗組員の家族と支援者が6月6日、平戸市に近い佐々町で開かれた日本共産党演説会の弁士になった仁比聡平参院議員に「乗組員を家族の元に返してほしい」と訴え、要請しました。

 第11大栄丸は水深80メートルの海底に沈んでいることが確認され、調査の結果、船体引き揚げが断念されました。家族は、「子どもをわたしの元に返してほしい」などと海の底に沈む家族への思いを涙ながらに語り、人道的な見地から早期の対応を求めました。また、船体の引き揚げは技術的には可能であるとして、国の財政的支援、施策を求めました。

 また、▽国・県の支援による行方不明者の早期救出(必要に応じた船体引き揚げ)▽船主責任制限法の限度額を超える事故に対応できる制度の改善▽漁民の基本的人権を保障する救難体制と法律の整備―を求める署名に取り組んでいることを紹介し、漁民の基本的人権を保障する制度の創出を求めました。
 仁比議員は、事故をめぐる状況を聞き取ったうえで、「この問題をすべての漁業者に通じる人道的問題として何ができるか、真剣に考えたい」と述べました。

 要請には、ふちせ栄子衆院九州・沖縄比例予定候補も同席しました。(2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」)