【16.03.30.】災害対策特別委員会『火山防災対策の強化について』

190回国会質問 国会質問一覧

 

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

今日、私は、火山防災体制の強化についてお尋ねをしたいと思っております。

昨年五月に全島避難となった口之永良部、あるいは阿蘇の中岳もつい今月の四日も千メートルという噴煙が上がり、火山活動が活発化をしています。

噴火や爆発を繰り返している桜島について気象庁にお尋ねをしたいと思うんですが、三月二十五日から二十八日、つまりこの直近にかけても爆発的噴火を繰り返していると思いますが、こうした現在の桜島の活動状況についてどのように見ていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。

桜島では、昭和三十年に南岳山頂での噴火が始まって以来、以降ずっと活発な噴火活動が続いております。

昨年八月には、マグマの急激な上昇を示すデータが観測されたことから、噴火警戒レベルを避難準備を求めるレベル四に引き上げました。その後、マグマの地下の浅いところへの上昇は停止したと考えられたことから、九月にレベルを三に引き下げ、その後も噴火が見られない状況が続いたため噴火警戒レベルを二に引き下げておりましたけれども、本年二月五日でございますが、爆発的噴火が発生し、入山規制を求める噴火警戒レベル三に引き上げてございます。以降、爆発的噴火が続いておりまして、昨日二十九日までに合計二十七回の爆発的噴火が発生しております。

このように火山活動が活発であることから、気象庁を始め京都大学も高いレベルの観測体制を取っているところでございます。気象庁としては、今後も京都大学等と連携し厳重な監視に努めるとともに、地元火山防災協議会とも密接に連携しながら、正確で分かりやすい情報提供に努めてまいります。

○仁比聡平君 今お話しのように、火山活動が活発化をする下で、降灰、火山ガスなどによって周辺に暮らす住民の皆さんの生活に大きな被害が続いているわけです。

資料の一枚目を御覧いただきたいと思うんですけれども、この桜島周辺の地域というのは、もちろん基幹産業は農業です。降灰が付着した桜島小ミカン、それからインゲンマメの写真もありますけれども、もうびっしりこうした作物に灰が付着をしてしまうと。昨年十一月の末に桜島や垂水市をお訪ねしたんですが、伺いますと、長年こうした灰が降るという状態がずっと続いているわけで、ですからミカンだとかビワだとか樹勢の衰えが大きいと。それから、インゲンマメとかキヌサヤとか葉ネギとか、この真ん中の写真には火山ガスの影響で枯れたホウレンソウの写真がありますけれども、こうした農作物被害というのは額にしますと六十一億円を毎年優に超えている、七十億に至らんとすると、こうした被害なわけですね。

その下で、ビニールハウスの導入、それから降灰によって十分な光が入らなくなったビニールの張り替え支援というのは、これなくてはならないものです。この写真の中にも、灰によって光が入らなくなったビニールハウスの写真もありますが、この点について、地元の要望に応えて張り替えの助成が二年ほど前から行われるようになりましたが、農家や自治体の皆さんに伺いますと、透過率、光を通す率が七九・九%を下回らなければならないという条件が厳し過ぎて、使い勝手が悪いというふうに伺いました。

被害は甚大ですし、除去の苦労は大変なものなわけですから、こうしたニーズに応えられるように運用してほしいと思いますが、農水省、いかがでしょうか。

○政府参考人(印藤久喜君) お答えいたします。

火山の噴火による大量の降灰によりビニールハウスの被覆資材の劣化が著しく、営農に大きく支障を来している場合には、被覆資材の更新、ビニールの更新ですね、を支援しております。

具体的には、先ほど言われた被覆資材の光線透過率がおおむね七割を下回るもの、若しくは火山活動による噴石等で破損したことが明らかに認められるものなどを対象にその更新に対する費用を支援しておりまして、着実に実績は増加しております。

また、先ほど言われました運用の改善についてですけれども、現場からその辺り一層の運用改善を行ってほしいという要望がありまして、例えば、光線透過率を測定する際に、被覆資材に付着している灰の除去方法ですね、それとか測定箇所とか具体的にどうしたらいいのかということを示すなどしてきめ細かな対応を行っているところであり、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○仁比聡平君 少し確認しますけれども、つまり、もう大きなビニールハウスでしょう、これに上がって灰を落とすということ自体が大変な作業なんですけれども、これをごしごしきれいに落としてしまってその上で透過率の条件を満たさなきゃいけないということじゃなくて、ホースなどで洗い流すというような箇所を、大きなビニールハウスであれば対角線の二か所、ここについてそういうふうに洗い落とした上で測ればそれで助成はできますよと、そういう運用をしているということですよね。

○政府参考人(印藤久喜君) 委員おっしゃったとおり、そのような運用をしております。

○仁比聡平君 これからも、現場のニーズを本当に酌み取りながら要望に是非応えていっていただきたいと思います。

桜島を訪ねたときに桜島火山観測所を訪ねまして、先ほど気象庁からもお話のありました京大火山防災研究所所長の井口正人教授にも様々なお話を伺う機会を得ました。今日は、そのお話の中で私自身が受け止めた、言わば権威ある専門家からの重大な警鐘というふうに感じた三つのテーマについて大臣の御認識をお尋ねしたいと思うんです。

一つは、破局的噴火までにそんなに時間はないという指摘です。

資料の二枚目は、これは井口教授から御提供いただいた京大防災研の資料ですけれども、桜島は大正噴火以来、マグマをため続けています。井口先生によれば、姶良カルデラ下のマグマの蓄積は二〇二〇年代には大正噴火が起こる前のレベルまでほぼ戻ると推定され、大正噴火級の大噴火に対する警戒を要する時期に入ったという趣旨を伺いました。

この資料の二を御覧いただきますと、もし大正噴火級の爆発が起これば一キロ立方を超える噴出物が日本中を襲うわけです。大正噴火のとき、噴煙が上空二十キロメートルまで上り、当時の火山灰は東日本まで到達したという研究があります。巨大な岩塊や火山れきによって、近隣はもちろんのこと、西日本に至るまで建物が破壊をされる。そして、火山灰が積もったところに、一番下ですが、雨が降れば同時多発的な土石流が発生する、そうした可能性、危険性、こうしたものが指摘をされているわけですが、政府にこうした認識はおありでしょうか。

○政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。

桜島につきましては、本年二月の火山噴火予知連絡会、これは先ほど委員御指摘の井口先生にも委員になっていただいておりますけれども、次のような評価をいただいております。二月五日の爆発的噴火以降、時々噴火が発生しており、今後も活発な噴火活動が継続すると考えられる、また、姶良カルデラの膨張が続いていることから、今後、火山活動の更なる活発化の可能性もあり、引き続き火山活動の推移を注意深く監視していく必要がある、このように評価いただいております。このため気象庁では、桜島の火山活動に対し非常に厳重な監視に努めておるところでございます。

大正噴火におきましては、噴煙が十キロメートル以上まで上がったとする研究報告が中央防災会議専門調査会資料でも示されております。また、当時の中央気象台の観測によりますと、火山灰は東北地方まで達したということになっております。

○仁比聡平君 そのような破局的噴火の被害というのは、井口先生は日本全体の問題なのであると指摘をされました。そうした被害が、この縦軸にあるように、つまり経過時間にあるように、直後に起こる、直後から数時間のうちにそうした被害が起こる。さらに、火砕流や大地震、海底噴火、地盤沈下などのそうした被害を想定すべきであって、これは富士山だけが危ないのではなく、西にある火山は全て危ないと。これまでの火山防災対策は発想が貧弱過ぎるとまで厳しく指摘をされました。

大臣、こうした指摘のような甚大な被害を想定した火山防災対策が必要だと私は思いますが、御認識はいかがでしょう。

○国務大臣(河野太郎君) この桜島の大正噴火、一九一四年だったと思いますが、二十世紀における我が国国内での最大の噴火だったというふうに認識をしております。もう一九一四年ですから大正噴火を覚えていらっしゃる方もほとんどいらっしゃらないのかもしれませんが、先ほどから話がありますように、東日本にも灰が降った、そのような大規模な噴火だったわけでございます。

今、桜島におきましては、桜島の火山防災協議会が設立されておりまして、この協議会では大正噴火クラスの噴火を想定した全島避難の計画を策定しております。この計画によれば、島内の集落ごとに設置された二十二か所の避難港から約十隻のフェリーによって四千八百人の住民及び観光客を四時間以内に島外避難させる、そういう計画になっております。また、この避難計画に基づいた、ほぼ全ての住民が参加するフェリーによる島外避難訓練が毎年実施されている。つまり、桜島近郊ではこの大正噴火クラスに備えができていると言えると思います。

また、大規模な降雨に至る大きな噴火について、今内閣府において降灰がインフラ施設や社会活動に与える影響についての調査を行っております。この調査に基づいて、こうした大規模な全国的な影響を与える噴火が起きたときの対応策について今後検討していく、そういうつもりでおります。

○仁比聡平君 是非、そうした認識を私たちが共有して対策を急ぐ必要があると思います。

二つ目にお尋ねしたいのは、こうした観測、予知を防災と避難に生かしてこそという指摘です。

井口教授は、今から五分後に噴火しますよと市民に伝えられても、これは逃げようもないと指摘をされました。そのために、桜島の火山においては、平時、ふだんの火山活動のデータと異常な火山活動のデータを、観測の言わば素人でもある行政担当者が見てもこれはおかしい、異常だという形で示して共有するという仕組みを確立してこられているんですね。ですから、桜島にある観測所から県庁に常にデータを送信し、共有をしている。この県庁側の受け手の場所が、大規模噴火で桜島から避難しなければならないとなったときにはオフサイトセンター的に活用できるというふうにも伺いました。

このようにして、いかに早く変化をつかんで、自治体関係者などお話のあった火山防災協議会のコアグループを動かして有効な対策に結び付けるか、ここが大切だというふうに語られたんですが、私は全くそのとおりだと思います。

このように、観測、予知と防災、避難を結び付ける人的、物的体制を百十の活火山で整えていくというのはこれ大変な仕事だと思うんですよね。けれども、それはやっぱり整えられなければならないと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

○国務大臣(河野太郎君) 火山にはそれぞれの特色がありますので、そうした大規模な噴火を想定しなければいけないものと、そこまではなかなか至らないだろうというのと、様々なレベルがあると思いますので、その火山の特色に応じた対応というのをやらなければいかぬと思います。

特に、火山の周辺では、それぞれ協議会をつくっていただいて、専門家にお入りをいただいて、噴火の予知レベルが上がったときにどのような対応をするかというのは細かく決めていただくことになっておりますので、内閣府といたしましては、まず大きな噴火が予測されるものについて、降灰その他どんなことになるのかという調査が済み次第、全国的といいますか、広範囲な対策について検討を着手していきたいと思っております。

○仁比聡平君 火山に特性があるのはもちろんそのとおりです。

先に確認をしたいのは、予知や観測の情報をそういう防災、避難をつかさどるところと共有する、ここは本当に大事だと思うんですが、気象庁、いかがですか。

○政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。

委員御指摘のとおり、気象庁が発表する噴火警報が防災に有効に活用されるためには、火山に関する観測データのふだんからの共有、これが非常に重要と考えております。

そのため、気象庁では、火山噴火予知連絡会を通じて、定期的にあるいは臨時に防災機関との観測データや火山活動に関する評価の共有を行っております。また、気象庁ホームページでは、地震回数や火山ガス、噴火回数等の火山観測データを公表しており、常時情報にアクセスできるように対応しているところであります。

また、さきの活火山法の改正により火山の周辺地域に設置が義務付けられました火山防災協議会との連携の強化が非常に重要であるというふうに考えております。気象庁としては、地元自治体や火山防災協議会と連携いたしまして、火山に関する情報の共有を具体的に行っていく中で、ふだんからの観測データの共有の在り方についても火山ごとに検討を進めてまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 そうした取組を進めていく上でも、三つ目に伺いたいのは、火山専門家の養成の規模なんですね。

ちょっと大臣の認識をお尋ねする前に、気象庁、文科省、それぞれお尋ねをしたいと思うんですが、知見はあるのにパーマネントな職がない、だから有為な人材も将来への希望が持てないと、そこに根本的な問題があるではないかと、私、繰り返しこの委員会でお尋ねをしてきました。気象庁にも、例えば大学の研究機関などで研究してこられた方、あるいはポストドクターで知見があるのに職がないという方、現にいらっしゃるそうした人材を採用し活躍の場をつくるべきだと提案をしてきたわけですが、平成二十八年度予算でそうした方々の採用を含めて組織、人員をどのように強化をするのか、その趣旨も含めてお答えください。

○政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。

火山の監視観測につきましては、観測機器等のハードのみならず、火山活動の変化を捉えた場合の現地での機動観測でありますとか観測結果の分析や評価、その結果の的確な発信を確実に実施していくための人的体制の充実強化が重要と考えております。このため、気象庁におきましては、平成二十八年度におきまして、火山関係の組織体制、人員体制を大幅に強化することといたしております。

具体的に申し上げますと、本庁に火山監視・警報センター及び火山機動観測管理官、地方におきましては地域火山監視・警報センターの設置という組織の体制の強化に加えまして、専門的な知識を要する予報官、火山活動評価官でありますとか機動観測体制の強化も含めまして、総勢八十名の増員という人員体制の強化も図ってまいります。これによりまして、火山の監視、評価、警報発表体制の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。

また、火山の専門家ですね、大学で火山を勉強された方々の活用という意味では、火山に関する博士号を取得した者を今年度気象研究所において新たに四名採用したほか、今後一名を更に採用する予定でおります。これによりまして、気象研究所において火山活動評価に関する研究を更に推進してまいります。

そしてさらに、今後、我が国を代表する火山の専門家にお願いいたしまして、気象庁参与という肩書で気象庁の火山評価業務や人材の育成に参画していただくということを考えております。また、職員に対する研修の強化等も進めておりまして、これらを通じて的確な……

○委員長(長沢広明君) 時間が来ておりますので、簡潔にまとめてください。

○政府参考人(上垣内修君) はい。

火山活動評価や職員の人材育成を行ってまいります。

○仁比聡平君 時間が来てしまって、文科省、そして大臣の御認識が聞けないのが残念なんですが、第一歩であり、更に強めていただきたいと思うんです。文科省も次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトというのを具体化をしてこられまして、ここの中で育成される人材がパーマネントな職に就いていくことができるようにというのが強く求められると思います。大臣も是非大きく頑張ってもらいたいということを強く要望して、質問を終わります。


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