民法改定で「共同親権」となった場合、各種子ども支援策をどのように運用するか、法務省と各省庁との間で十分な検討が行われていない実態が4月18日の参院法務委員会で明らかになりました。日本共産党の仁比聡平議員の質疑で判明しました。

 「共同親権」を巡っては、盛山正仁文部科学相が、高校の授業料を無償化する就学支援金について、親権者2人分の収入に基づいて受給資格を判定すると発言。「共同親権」になると対象から外れる懸念が生じています。

 仁比氏は、民法改定案では父母間の合意がなくても、裁判所が「共同親権」と定めることができると指摘。別居親が養育費を支払わない場合、授業料無償化の対象から外れれば「子の利益に反する」と指摘。親の収入などが要件となる各省庁の主な支援策が少なくとも25以上あると示し、「共同親権」導入に伴う運用についてただしました。(質問動画はコチラ)

 犯罪被害家庭が対象の「まごころ奨学金」について、金融庁総合政策局の若原幸雄参事官は「審査の方法は現時点では決定していない」「(法務省から)制度に関する協議は承っていない」と答弁。一方、厚生労働省の斎須朋之審議官は、障害児の特別児童扶養手当などについて、法務省と協議はしていないとしつつ「監護の実態があるかで受給資格を判断する」と答えました。

 仁比氏は「あらゆる子ども支援策について、基準や運用を一律に明らかにするべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2024年4月19日)