日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と原爆症認定集団訴訟の原告団、弁護団は5月25日、日本共産党本部を訪れ、志位和夫委員長に集団訴訟の全面解決に向けた協力を要請し、懇談しました。
国は5月28日の東京高裁判決を見て訴訟解決に向けた政治決断をおこなうという重要な段階を迎えています。
要請で、日本被団協の藤平典代表委員は(1)裁判で勝訴した原告をただちに認定する(2)未判決、敗訴の原告は被爆者救済の立場で対応する(3) 肝機能障害と甲状腺機能低下症を基準で積極認定する病気に入れる(4)がんは幅広く認定する(5)総合判断となる疾病は「疑わしきは被爆者の利益に」の立場で認定する―の五項目の実現について国に働きかけてほしいと語りました。
全国原告団の山本英典団長が、原告三百六人のうち六十八人が提訴後に亡くなり時間はないといい、「国は被爆の実態に沿って基準を再改定してほしい」とのべました。被爆者や弁護士が、裁判にかけた核兵器廃絶の願いを切々と訴えました。
志位氏は、要請に全面的に賛同し、党として最大限の努力をつくすと表明。「病気を抱えたみなさんに、これ以上のご苦労をおかけすることは許されません」と強調しました。
志位氏は、「核兵器のない世界」をめざすとしたオバマ米大統領への書簡と米政府からの返書、麻生首相との党首会談のもようを紹介し、「みなさんが痛苦の体験をもって訴えてきたことが国際政治を動かしつつある。核兵器廃絶に向け、ともに協力して力をつくしましょう」とのべました。
要請には、東京弁護団の高見沢昭治団長ら十一人が参加。日本共産党から、市田忠義書記局長、党被爆者問題委員会の小池晃責任者・参院議員、笠井亮事務局長・衆院議員、高橋ちづ子衆院議員、仁比聡平参院議員が同席しました。(2009年5月26日(火)「しんぶん赤旗」)