自首した者に刑を減免する規定のある「共謀罪」法案で、自首した密告者の供述だけで罪を立証される危険性が、4月13日の参院法務委員会での日本共産党の仁比聡平議員の追及によって浮き彫りになりました。
仁比氏は、共謀罪の核心は「合意の処罰」だと指摘。「計画書がない場合、どうやって合意を立証するのか」と問いました。金田勝年法相は、「供述などだ」と答弁しました。
仁比氏は、自首による刑の減免規定について「法そのものが密告を奨励・期待している」と強調。存在しない事実があったかのように供述証拠が積み重ねられ、裁判所が証拠の評価を誤った冤罪(えんざい)が繰り返されてきた歴史を指摘し「密告者の話だけで有罪にできるのではないか」とただしました。
金田法相は「共犯者の自白には『巻き込み』の危険がある」と認めつつ、「慎重に判断する」としか答えられませんでした。
仁比氏は、共犯者の自白に関し「独立、完全な証明力を有する」としている最高裁判例を示し「裁判官が信用すれば、制度上、密告者の供述のみで有罪にできるのが共謀罪だ」と批判。どんな合意が処罰されるかが捜査機関の判断次第である共謀罪の導入は、「罪刑法定主義も適正手続きも根本から破壊する」と厳しく警告しました。(しんぶん赤旗 2017年4月14日)
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