日本共産党の吉井英勝衆院議員と仁比聡平前参院議員、島根県委員会は23日、全国で唯一県庁所在地にある中国電力島根原子力発電所(松江市)を調査しました。松江、安来、出雲、雲南の4市、東出雲、斐川両町の党議員らが参加しました。
同原発は福島第1原発と同じ沸騰水型炉で、1号機は1974年3月、2号機は89年2月から運転を開始しています。
吉井氏らは、清水希茂・中電島根原発本部長らの案内で定期点検中の1号機の原子炉格納容器内や非常用ディーゼル発電機室などを調査しました。
調査後の意見交換で中電は、島根原発で想定している引き波は最大5・7メートルで、現状では取水ができなくなることを認めた上で、今後ポンプを改修する計画を明らかにしました。
吉井氏は「引き波への対応は5年前から求めていたもの。国が対策を取らせてこなかったのは問題だ」と指摘。「福島の事故は、津波と地震動への対策を怠った人災で、島根原発にとっても人ごとではない。最悪の過酷事故を想定し、津波とあわせ地震動による建屋・機器への被害、電源喪失への対策を行わなくてはならない」と語りました。
清水本部長は「福島での地震動による被害を精査して対応を進めたい」と話しました。
吉井氏らは調査後、島根県の松尾秀孝副知事と懇談しました。(しんぶん赤旗 2011年5月24日)