仁比氏らパネリスト JA・市幹部も参加
環太平洋連携協定(TPP)について考えるシンポジウムが1月29日、鹿児島県鹿屋市で開かれました。JA関係者や市の幹部など110人が参加。JA鹿児島中央会の川井田幸一会長からメッセージが寄せられました。主催は県革新懇。
鹿屋市は全国トップクラスの畜産地帯で、でん粉の原料となるかんしょ(サツマイモ)の生産額も全国有数。市はTPPに参加した場合、関連産業への影響を含めて9品目、約330億円が減少すると試算しています。
会場からは「農業は食料供給も当然だが、環境や保水力にもかかわる問題。農業の持つ意味をもっとPRしてほしい」(農業・男性)、「TPPは農業だけでなく、雇用・経済の問題としてとらえる必要がある」(医師・男性)など活発な意見が寄せられました。
パネリストとして参加した日本共産党の仁比聡平前参院議員は、「TPPと農業再生は両立しない。地域経済が循環し、農業が基幹産業として大切にされる方向を目指したい」と発言。元鹿屋市議(元自民党員)で、自治フォーラムの黒木次男委員長は「食の安全保障は世界が理解してくれること。外国から押しつけられる政治をしてはいけない」と警鐘を鳴らしました。
コープかごしまの東垂水末義専務補佐は消費者の観点から、「食の安全安心に興味が高いが、価格の問題になると安心安全と一致しないジレンマがある」と指摘。県農民連の園山一則会長は「多くの団体と共同し、持続した反対運動を広げることが大事だ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2011年1月29日)