1月31日、1704人の委任状が詰まった重い段ボール箱を携えて「原発なくそう!九州玄海訴訟」第1陣が佐賀地裁に提訴しました。さらに3月12日の第二陣提訴にむけ、「真実を呼ぶ1万人原告」への結集を心から呼びかけたいと思います。

福島のある保育所で、プランターに球根を植えようと「3・11」前の腐葉土を子どもたちに配ったそうです。子どもたちはどうしたでしょう? いっせいにその腐葉土を夢中で触り出した。外遊びが出来ず、泥んこ遊びも砂遊びもできない子どもたちが久しぶりに土に触れ、その感触を夢中で楽しんでいたそうです。

溶け落ちた燃料棒がどうなっているのかも分からず、放射性物質の漏出は相次いでいるのに、東京電力福島原発「事故収束」を宣言した民主党。野田政権に対し、沸き起こる激しい怒りを抑え込むことはできません。人生丸ごとの被害がいつ終わるともなく継続し、深化し続けている事実から、決して目をそらしてはなりません。

佐賀市で開かれた提訴前夜集会の会場は、福島の被害への深い共感と怒りがあふれました。この裁判で私たち「九州玄海訴訟原告・弁護団」は、国と東電が引き起こした未曽有の被害を徹底して明らかにします。そしてその被害は、国策として推進された「安全神話」の虚偽(ウソ)という無責任極まる加害行為によって引き起こされたものであることを明らかにし、原子力政策そのものの転換を迫ります。福島の被害を目のあたりにしながら原発を動かし続けることは現在と将来の国民への重大な人権侵害であり、国はすべての原発をなくす義務を負っているのです。


野田政権は早晩「政治判断」などとして原発再稼働を迫ってくるでしょう。「原発なくせ」「伊方も島根も玄海も川内も、原発の再稼働は許さない」――主権者国民の力が問われる正念場です。(しんぶん赤旗 2012年2月1日)