日本共産党の熊本県委員会は2月10日、衆院第1議員会館で環境相が7月末で締め切ると発表した水俣病救済特別措置法に基づく救済策の受け付け期限設定をやめ、すべての水俣病被害者を救済するよう交渉しました。仁比聡平前参院議員・国民運動委員会副責任者が同席しました。
党県委員会は、▽水俣病特措法の申請期限を設定せず恒久的な制度にする▽被害者を把握するため不知火海岸周辺の47万人の健康調査▽出生年、汚染時期、居住期間による線引きをやめる▽加害企業チッソの分社化を許さない―などを求めました。
同省特殊疾病対策室の桐生康生室長は「締め切りは『3年以内を目途(めど)に対象者を確定する』(同法)ため。迅速に『あたう(可能な)限りの救済』のため周知・徹底に努める」と繰り返しました。
松岡徹県議は「『目途』は期限ではない。どこまで被害が広がっているのか実態が明らかになっていない中で、患者の救済を切り捨ててはならない」と迫りました。
橋田芳昭熊本5区国政対策委員長は「受付窓口を恒久的に開き、健康調査をしなければ、水俣の問題は解決しない」と強調。野中重男水俣市議は「へその緒から国のいう平均値を超える水銀が出ても救済されていない被害者がいる。一切の線引きをやめるべきだ」と批判しました。
仁比前参院議員は「7月までに手を挙げられない人は、同法の『救済を必要とする人』ではないというのか」と批判。「予算とチッソの利益に配慮して救済策を打ち切っても、被害ある限り必ず被害者は立ち上がる」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2012年2月11日)