「平和をつくり出す宗教者ネット」が主催し、複数の宗教者団体が協賛して参院議員会館内で9月18日、自民党などが秋の臨時国会に提出を準備するスパイ防止法案に反対する院内集会を開きました。海渡雄一弁護士が講演し、同法案は「敵味方を二分し、(敵とした人々を)厳罰で罰する」ものだと非難しました。
スパイ防止法案は自民党、国民民主党、参政党や日本維新の会などが賛同しています。
日本キリスト教協議会の金性済(キム・ソンジェ)氏は、朝鮮半島出身者が大量虐殺された関東大震災で「虐殺事件に触れるな」と箝口(かんこう)令が出され、後の治安維持法につながり、抑圧が少しずつ着実に進んでいったと警告。特定秘密保護法制定以来、戦争に向けた法の制定が進み、その仕上げが同法案であり、法案成立は「人権の窒息」と外国人迫害につながると訴えました。
海渡氏は1985年のスパイ防止法制定運動も「統一協会・勝共連合が強力に推進したことを忘れてはならない」と指摘。同法案成立によって、政府や大企業が個人の思想を把握し、それを理由に公務職場や企業から排除する事態も起こり、思想・良心の自由を侵害すると主張。物が言えない状態が、過去に満州事変などを引き起こしたと強調。海渡氏がSNSで法案反対を表明したら「断末魔」「悪あがき」と攻撃を受けたとのべ、「黙ってしまうのはいけない。反対の声を上げていこう」と呼びかけました。
集会には日本共産党の仁比聡平参院議員、社民党の福島瑞穂参院議員が参加し、参加者を励ましました。(しんぶん赤旗 2025年9月19日)
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