昨年1月の能登半島地震から1年8カ月―。小池晃書記局長ら日本共産党国会議員団は8月20日から石川県奥能登地域を訪れ、地域医療や介護の現状を調査しました。メンバーは、仁比聡平参院議員、堀川あきこ衆院議員、藤野保史・元衆院議員(被災者共同支援センター責任者)らです。

 珠洲市では社会福祉協議会の関係者らと懇談しました。震災前には市内に8カ所あった介護施設が3カ所に減った現状が紹介されました。三上豊子さん(珠洲市健康サポート推進室室長)は、震災で市外に避難した高齢者らが、地元に帰ろうにも介護の担い手や施設といった受け皿がなく、帰ることができない「悪循環」を強調しました。

 被災地の支援活動をしてきた橋本笙子さん(ピースウインズ・ジャパン)は「悪循環は止まっていない。介護保険を支える介護事業所は、利用者が減った現状では再開できないし、再開なしには、利用者が地元に帰ってこれない。国がサポートを考えないと、必ず繰り返す」と訴えました。

 関係者からは、被災者見守り・相談支援事業への100%補助の期間延長などの要望が寄せられました。小池氏は「被災者やみなさんの善意に頼って、自らの責任を果たそうとしない国の姿勢をただして、介護・医療で国の責任を果たさせねばと痛感した。国会でも取り上げ、馳浩県知事にも明日、この声を伝えたい」とのべました。

 輪島市の輪島診療所では上濱幸子事務長と介護相談センターの職員と懇談しました。石川県では、自宅が半壊以上の損壊を受けた被災者への医療費や介護利用料の免除を6月末で中止しています。

 上濱さんらは、会社員などが加入する健康保険で減免が延長されたことに触れ、「稼ぐことができる社会保険の人は減免なのに、年金生活の者は打ち切られたことに納得できない、という声が聞かれます」と被災者の声を紹介しました。

 議員団は3カ所の仮設住宅を訪問し、住民と懇談しました。珠洲市のAさん(73)は「東北の岩手県や宮城県でも医療費の減免がまだ続いているのに石川で打ち切りはおかしい」と語りました。

 珠洲市の元教員、Bさん(95)は「和歌山県選出の自民党議員(鶴保庸介参院議員)の『運のいいことに能登で地震があった』発言は情けなくて泣けました」と語り、議員団と固い握手を交わしました。

 日本共産党の佐藤正幸石川県議、鐙(あぶみ)史朗輪島市議らも同行しました。(しんぶん赤旗 2025年8月21日)