○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
質疑順を、ちょっと通告順を変えまして、まず国土交通省にお尋ねしたいと思うんですが、能登の支援に関わってですが、元旦の大地震からの復旧が進まない中で、地盤が緩んだところが九月の豪雨で崩れて土砂や瓦れきが川に流入し、先ほども御議論ありましたけれども、土砂氾濫を起こしたという状況になりました。
十一月の上旬に輪島市のある地区で復興まちづくりの計画に関わる住民懇談会が行われているんですが、ここで、甚大な被害を出した塚田川が流れている久手川町の住民からこんな悲痛な声が上がっています。一月の地震の影響で土砂ダムができたのを確認していたのかと、その上で見逃していたのかという厳しい声なんですが、市長が、久手川地区含め多くの土砂ダムがあったのは確認していたが、応急復旧にとどまって十分な対応が間に合わなかった中で今回の豪雨災害が起きてしまった、そういった意味では震災と豪雨の複合災害であるという答えを市長がされています。
国土交通省の認識や対応はいかがでしたか。
○政府参考人(藤巻浩之君) お答えをいたします。
委員御指摘のとおり、能登半島地震におきましては大規模な土砂崩落発生いたしまして、輪島市内など奥能登地域の六河川十四か所、こちらで河道閉塞が発生したところでございます。
それ以降、国土交通省としては、衛星観測あるいは空中写真などで地形判読を行いまして河道閉塞箇所を特定し、監視体制を構築してきたところでございます。また、そういった中で応急対策を行ってきたところでございますけれども、委員御指摘のとおり、塚田川におきましては、九月の豪雨により四名の方が犠牲になる痛ましい災害となったところでございます。
現在、国土交通省が国直轄によりまして、県に代わりまして本格復旧を進めることとしておりますけれども、委員御指摘のとおり、改めて、本格復旧に当たりましては、原因についてしっかりと調査分析を行った上で必要な対策を実施していきたいと思っているところでございます。
今後とも、応急対策、そして本復旧をしっかりと進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○仁比聡平君 その地震からの応急復旧の中で、例えばワイヤーセンサーの設置だったり、下流への万が一のときの避難の周知だとか、あるいは防護ネットだとか、そういう取組はできていたんですか。
○政府参考人(藤巻浩之君) お答えいたします。
委員ただいま御指摘のありましたことで申し上げますと、例えば雨、降雨が何ミリぐらい降ったら例えば避難指示発令基準になるだろうということを共有いたしまして、そういったものを箇所ごとに設定いたしました。そういったものの基準以上の降雨が見込まれる際には関係自治体にアラートメールを送付するなど、体制を構築いたしました。そういった形で、避難の警戒態勢、ソフト面でも強化をしたところでございます。
○仁比聡平君 ハードの面ではどうだったのか、ちょっとよく分からないので、是非具体的な説明を求めたいと思いますけれども、坂井大臣、こうした複合災害による生活の困窮が極まっていると思います。
この住民懇談会は、十一月上旬の時点ですけれども、例えば、仮設に入居しているが、狭くて住宅として生活するにはもう大変、冬物を買っても置くところがない、みなし仮設に避難している方で輪島に帰ってこない方もたくさんいるというような声や、自分の家は準半壊判定で仮設住宅の入居基準にすら当てはまらない、その下で、水害で裏山の土砂崩れがあって本当に不安で仕方がないとか、学校も本当に大変なようですね。支援拠点になっていて、子供たちは本来の自分の小学校じゃなくて別の学校に行かなきゃいけない、その復帰の見通しも今はっきりは言えないと。中学校には支所やお店などのいろいろな機能が集約されているので、卒業までに戻したいと教育委員会も思っているけれども、その見通しは立たないというような状況があるわけですよね。
大規模な農家でも田畑の被害に対する補助がもらえていないという人がいる。自分たちの小規模な農家ではもう補助は受けられないのじゃないかというような不安が地震から十一か月たって存在する。そして、大きく変化がないままこの年末年始を迎えようとしていると。その焦燥感というのは、もう本当に胸が痛む思いがするわけです。だからこそ、見捨てられたのではないかというような声が出てくると思うんですね。
例えば、国民年金暮らしで余裕がないという方がこんなふうにおっしゃっています。自分の土地を提供してもいいから、この地域に安い家賃で入れる復興住宅を是非建ててほしいと。これは復興住宅の問題に関しての願いですけれども、つまり、これまでの延長線上ではない抜本的な支援の強化が、私は、一年たとうとする今、その決意が政府から、国から示されなければならないと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂井学君) 能登地域の皆様が受けた地震、そしてこの豪雨の度重なる被害に対して一刻も早い復旧と創造的復興を行っていくための支援を講じているところでございますが、今委員が個々具体的な事例をお示しをいただきましたように、まだ十分に先が見えない、つまり、今おっしゃった中では、学校で通常の授業がいつからできるのかといったようなことは、まだ時期が見えないという状況があるというのも事実でございます。
今まで合計七千百五十億円の予備費での対応に続き、補正予算で能登地域の地震、豪雨の度重なる被害からの復旧復興、ここを加速するため、被災地の要望も伺いながら二千六百八十四億円の支援策を盛り込んだところでございまして、こういった支援策を、例えば住まい、先ほど出ましたけど、住まいでありますとか、なりわいでありますとか、あとは福祉でありますとか、そういう具体的に被災者の皆さんの生活に関わるところにしっかり使っていくということをお示しをしていくことが見捨てていないというメッセージになろうかと思っております。
災害公営住宅におきましても整備費の補助限度額を引き上げることにしておりますし、在籍型出向を活用する事業者に対する助成金でありますとか、新たな一年間の雇用調整助成金の特例措置の創設、こういったこと、あとは農業機械ですね、農業機械、これは豪雨被害に対する農業機械への支援、こういうなりわいに関しても予算を使ってまいります。
もちろん、道路、河川、港湾、水道などの早期復興復旧、公費解体の充実強化、そして災害廃棄物処理体制の拡充などの施策をこの補正予算などを使ってしっかりやっていく。それに加えて、除雪に関しても、冬対策でも暖房器具を確保し、除雪でも機械三十三台の増強、小型除雪機三十台貸出し支援といった施策も講じておりますし、また福祉面でも、仮設に入られている方々の見守り支援を進めるとともに、デイサービス等を提供する仮設住宅のサポート拠点の整備も進めてまいります。
こういった目に見える形の支援や予算の使い方、こういったものを進めていくことによって、共にその復旧復興に向けて進んでいくんだという思いを共有できたらと思います。
○仁比聡平君 今大臣がおっしゃったような、この予算をどういうふうに使っていくかというこの具体化は被災者に寄り添ってとことん急いでいただきたいと思うんですけれども、加えて、こうしたその大規模災害の復旧復興に当たって、やっぱり大事なことは、被災者が被災前の生活を一刻も早く取り戻すことができるような支援をすると。そのやっぱり一番の基盤は住まいと、それからなりわいということだと思うんですよ。この遅れが、一年たとうとする中で、見捨てられたのかというような悲痛な声を被災者に上げさせている大きな原因なんだと思うんですね。
今後、しっかり加速化、そして強化をしていただきたいと思うんですけれども、今日、具体的に、とりわけ持家の、被災者にとって生活再建のまず出発点になる公費解体について環境大臣政務官にお尋ねしたいと思うんですけれども、輪島市では、お配りしている資料のとおり、十一月末の時点でこの解体率が二五・一%にとどまっています。
これ、もちろん奥能登だけではありませんが、被災地でこの間、加速化プランを取り組まれて、ここまで到達してきたということは私も十分理解をしますけれども、けれども、被災者にとってみれば、今年の元旦に持家が壊れたまま、全半壊したまま風雨にさらされ続けて、先の見通しが立たないということなんですよね。大切なアルバムなども瓦れきの下にうずまっている、あるいは、早くに取り出せばこれからも使えるんじゃないかというような大事な家財なんかもそのままになっているという中で、見通しが立たないというのは本当に苦しいことでしょう。
だから、生活の再建への希望、見通しを取り戻していくためには、これまでの延長線上ではない、目標の前倒しにつながる取組が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(勝目康君) 公費解体についてでございます。
私も就任して直ちに能登の方に参りまして、現地の方を拝見し、そして現場の状況を見てまいりました。その中で、石川県さんとともにしっかりこの問題取り組んでいかないといけない、そういう思いを持ったところであります。あわせて、これ、金沢から陸路で参りましたので、非常にアクセスに制約がある、非常に遠いといったところも実感をしたところであります。こうした中での対応を強いられているというのが現状かなというふうに思っております。
この公費解体、そして撤去につきましては、様々な課題がこの間あったわけであります。受付事務に対して個人的支援どうするんだということ、あるいは申請書類の合理化、簡略化、こういったことも進めてまいりましたし、専門家の方に工事前の調整を担っていただくと、こういうこと一つ一つ解決をしながら取り組んできたところであります。
これらの取組によりまして、解体完了棟数でありますけれども、十二月十六日時点、直近把握しておる数字ですと、累計一万二千三百六十一棟ということでありまして、石川県全体では三六%の進捗になってございます。このままのペースでまいりますれば、中間目標、これは十二月末時点で約一万二千ということでありますけれども、こちらを達成できる見込みとなっているというふうに承知をしております。
石川県さんは来年十月を解体完了の目標とされて、更に一日も早い解体完了を目指すというふうにされておられますので、環境省としましても、その達成に向けて引き続き最大限支援をしてまいります。
○仁比聡平君 今定められている目標を前倒しするということがとても大事だと思うんですよ。
県の資料によりますと、十一月の一月で解体数が解体の計画を上回って、その達成率は一三七%になっていると伺っています。つまり、目標よりも早い解体を進めていく力というか状況をこれまでの努力でつくってきたということなんだと思うんですね。
雪の季節になっていますから、この雪の季節が終わった春先、まあ三月頃からもっと体制を充実して加速していくと。一軒一軒の被災者に見通しが立つようにしていくためには、仮置場の追加整備、それから広域処理の促進が必要だと思います。用地の選定もですけれども、仮に整備すると管理が本当に大変。交通整理だとか、それから瓦れきがちょっと進路に落ちたりとか、こういう周辺生活の環境への配慮なども必要で、これ地元の自治体だけでは無理と。だから、応援の職員を改めて派遣するとか、もちろん必要経費は国が支援するということなどで自治体とよく相談して前に進めるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(塩田博昭君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○大臣政務官(勝目康君) はい。
委員御指摘のとおり、これ加速化を更にということになると、様々な課題があるわけでございます。
この仮置場の確保につきましては、八月時点十六か所であったものが、十一月末時点で二か所追加で、更に五か所が追加される予定で、全部で二十三か所になるという予定でございます。
あと、処理先の確保も重要でございまして、これは石川県さんと連携をして、車両輸送に加えて海上ですとか鉄道貨物、こういったところも活用して広域処理を進めておるところであります。
解体班数、これをどうしていくかという話もあるわけでございます。この三月以降、この解体班数を拡充する場合は、半島特有の地理的な、あるいは物理的な制約もろもろがあるということ、これを踏まえないといけないということでありますけれども、更なる仮置場、輸送手段、処理先の確保など、様々な調整が必要になってまいります。
このため、石川県と緊密に連携をして、最も効率的、効果的に解体が進むよう適切に対応して、石川県の目指す一日も早い解体完了に向けて最大限支援を行ってまいります。
○仁比聡平君 しっかりやってください。
終わります。