お盆の中日、亡き人をしのぶ静かな時間を破り、パリ五輪閉会を見計らいTVジャックして政権を放り出した岸田文雄総理大臣。なにが「緊急記者会見」でしょう。裏金、円安・物価高騰、ひろがる生活苦と格差。その空虚な弁明と無責任さにあきれかえりました。

 「外交に区切りがついた」といいますが、その一つが、広島・長崎に挑戦するかのように核兵器による威嚇を一体で強めよう(拡大抑止)という新たな日米合意でしょう。まるで逆です。被爆者養護ホームを訪ね、「核威嚇とウクライナ、ガザの惨状に、初めてつらい体験を語ろうとする入園者がふえている」と聞きました。

 「黒い雨」・内部被ばく問題でも、被害者のたゆまぬ運動が国を揺さぶるなか、「退陣表明をどう思うか」とインタビューされた長崎の「被爆体験者」は「被爆者と認めよ。長崎での約束守ってって言ってやったのよ」と明るく教えてくれました。人類と共存できない核戦争の恐ろしさ。唯一の戦争被爆国として平和を語ることこそ世界への責任なのです。

 とことん対米従属一辺倒の自民党政治のもと、南西諸島と西日本全域での日米合同大規模軍事演習には、日米のオスプレイが投入され、激しい実弾射撃も強行されました。米兵性暴力隠蔽(いんぺい)への沖縄県民の激しい怒りは、日本中の人たちに広がっています。この国がアジアの軍事的緊張の震源地から抜け出し、真の平和の国に変わるために――戦後80年の来夏にむけ、大きな確信を持って進みたいと思います。

 つれあいの他界から3カ月、思いがけぬ方々に励まされる初盆になりました。おかげで庭の草抜きもひと段落し、花や菜園も元気を取り戻してきました。みなさんのお心遣いに心から感謝申し上げます。悲しみが癒えることはありませんが、つれあいが書き遺(のこ)してくれたように、元気に、笑顔で、「やりたいことを続けて」行こうと思います。(しんぶん赤旗 2024年8月21日)