○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
前回六月七日のこの委員会で、特に公費解体の事務を中心に応援職員の派遣をというテーマで質問いたしました。馬場副大臣、総務省の馬場副大臣が、被災自治体の追加要望を含め調整を行っているということで、政府もとりわけ力を入れていただいているということは承知はしているんですけれども、その後、幾つか現場の自治体の実情についての取材の上での報道がありました。
例えば六月十二日のNHKのニュースによれば、輪島市で公費解体事務に関連して要望している職員さんの数が二十人と。これに対して実際に来ていただいている方が十一人。充足率という表現をもしするとしたら、まだ五五%、半分くらいしかまだ要望に届いていないと。珠洲市では、要望が十九人に対して来ていただいているのが十一人で、充足率で五八%。能登町では、十人を要望して四人来ていただいていて、まだ四割と。これがNHKの報道なんですね。
改めて、現状は本当に大変だなと思います。特に、職員さんたちも被災をしておられるわけで、週に一日休めるかどうかというような、悲鳴のような声も出ていましたけれども、この状態が半年近く続いているという下で、現場の自治体の渇望のような、応援を急いでほしいという思いは本当に強いと思うんですが、その点についての総務省の認識を改めてお尋ねをし、どのように取り組んでいくか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(小池信之君) 被災自治体からの公費解体に関する中長期の職員派遣に係る要望と充足状況につきましては、総務省としても把握をしております。
公費解体に関する職員派遣の要望に対しましては、全国市長会、全国町村会はもとより、制度を所管する環境省と連携して職員派遣の調整をしてきておりまして、環境省におきましても各地方公共団体に対して被災自治体からの要望について働きかけを行っているものと承知しております。
総務省におきましても、引き続き、環境省や関係団体と連携して対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 引き続き対応はしてまいりたいという、答弁としてはそうした言葉あるいはトーンになるのかもしれないけれども、実際、十人いないとやれないという業務量があるのに、そこを四人来て、あっ、十人来てもらわないとやれないという業務量があるのに、そこを四人の応援で、元々の職員さんたちが休めずに頑張り続けるという、やっぱりそういう状況は一日も早く打開をしなきゃいけないと思うんですね。
この間、政府もこの半年近くを振り返る会議も重ねておられまして、私もちょっとその報告などを拝見すると、この一月以降、現場に派遣された職員さんたちがいかに過酷な状況の下で頑張り抜いてこられたかということに本当に心から敬意を表する思いがしております。それは国からも同様ですし、当然、広域の市町村、あるいは都道府県からの派遣の方々が本当に猛奮闘されてきたと思うんですね。
ですので、先ほど総務省の答弁の中に中長期の派遣という言葉がありますけれども、この中期の派遣、長期の派遣と、例えば半年とか一年とか御自宅から離れて、元々働いている職場、自治体から離れて能登に言わば住んで業務を行うというような、そのお一人お一人の職員さんたちにとってとても大変なことだと思いますし、かつ、送り出す自治体のサイドからしてみても、そうした大切な職員さんがいなくなるわけですから、後の業務をどうするのか。やっぱり広域の派遣というのはそんなに簡単に一言で言えないなというような思いがするんですね。
その点について、六月十二日に、全国市長会が能登半島地震の復旧・復興に関する決議を上げられました。そこで、土木、建築などの技術職や保健師などの専門職の中長期にわたる円滑な支援のために、派遣体制の整備と財政措置の拡充を求めていると。これまでも国として支援をしてこられていると思います。ですが、これを拡充を求めているというのはとても大事なことだと思うんですよね。
応援職員の方々の待遇の改善だとか、あるいは送り出す自治体の人員確保のための財政的な支援などが考えられるんだろうと思うんですけれども、更にどういう拡充が求められるのか。今、本当にニーズを把握をして速やかに対応すべきだと思いますが、総務省、いかがですか。
○政府参考人(小池信之君) まず、技術職員や専門職に限らず、派遣された自治体職員の給与や手当といった人件費につきましては、その八割が特別交付税で措置をされております。また、派遣先自治体において条例で定めることにより派遣された自治体職員に対して災害派遣手当を支給することが可能であり、その経費の八割が同じく特別交付税措置をされているところでございます。
復旧復興に向け特にニーズの高い技術職員の派遣につきましては、都道府県等が技術職員を確保し、平時に技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保する復旧・復興支援技術職員派遣制度を令和二年に創設し、登録された職員に係る人件費に対して地方交付税措置を講じております。この復旧・復興支援技術職員派遣制度に関しましては、現在、各都道府県から職員の確保状況や確保に向けた取組や課題についてヒアリングを行っておりまして、今後の対応の改善に生かすこととしております。
引き続き、現場の声を丁寧に伺って対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今のそのヒアリングでのニーズの把握を本当にしっかり行って速やかに応えると。この夏の概算要求などの中で具体化するというような速やかな取組が本当に必要だと思います。
根本は、この間進められてきた自治体リストラだったり、あるいは平成の大合併などによるこの自治体の力がそがれてきてしまったということに対する根本的な反省が私は必要だと思います。
続けて、災害公営住宅について、同じ全国市長会の決議が、災害公営住宅の整備について、被災自治体の過剰な財政負担にならないよう、激甚災害において適用される災害公営住宅の補助率を東日本大震災時と同程度までかさ上げするということを求めておられます。
東日本大震災あるいは熊本地震ではどんな支援がされたか、能登ではどう支援されますか。
○政府参考人(佐々木俊一君) お答え申し上げます。
災害公営住宅の整備等につきましては、熊本地震におきましては、建設費につきましては四分の三を激甚法に基づきまして補助を行っております。また、家賃低廉化のために要する経費につきましては、これも激甚法の適用によりまして、当初五年間四分の三、六年目以降三分の二という形で補助金を出しております、補助を行っております。
東日本大震災におきましては、この激甚法による補助率のかさ上げに加えまして、地方公共団体負担の二分の一を復興交付金により対応するほか、補助対象を拡充するなど、追加的な支援を行ってきたところです。
今般の能登半島地震におきましては、災害公営住宅の整備等につきまして、現在のところ、激甚法の適用により、熊本地震と同様の補助率のかさ上げを行うことで考えております。加えて、被災者の生活再建に向けて被災自治体が行う住まいの復興計画の策定、こうしたものに対して支援するなど、国が直轄で調査を実施したり、被災自治体への支援を行っているところでございます。
国土交通省といたしましては、引き続き、被災自治体のニーズや状況をきめ細やかに把握しながら、着実な支援を実施してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 確認ですけれども、お手元に住宅局の資料を配っていますが、東日本大震災でいうと、建設費というのは八分の七までのかさ上げがされたわけですね。
○政府参考人(佐々木俊一君) これは、表にありますとおり、激甚で四分の三ですので、そうしますと、地方公共団体は残りの四分の一になります。
○仁比聡平君 熊本ですね、それは。東日本では。
○政府参考人(佐々木俊一君) したがいまして、東日本のときは、激甚法に加えて残りの地方負担分の二分の一を支援するという形になりますので、四分の三を支援した上で、残りの四分の一の半分、八分の一を支援しますと、都合八分の七になるという形になります。
○仁比聡平君 全国市長会が求めているのはこの東日本並みにということなんですよ。それだけ自治体にとってこれから、今課題に現実なってきていると思いますが、災害公営住宅を建設していく上での負担軽減、これは復興に向かう上でとても大事だということなんだと思うんですね。
今日は今の御答弁にとどまるんだと思うんですけれども、先ほどお話のあった家賃低廉化のための支援の枠組みも含めて言うと、被災地の現実の負担がどんなふうになるのか、どこまで軽減されるのかということをしっかり伝えていくのとともに、やっぱり東日本並みにというその声に是非応えていただきたいと思います。
最後に、高齢者施設の再開が、高齢化の進んでいる能登においては極めて重要だと思います。お手元の北國新聞の記事のように、この間の取組で、施設復旧については負担一割というところまでの支援が積み重ねられてきたというふうに思うんですが、その支援について厚労省の認識と。
ちょっと併せて聞きますね。大きな課題になっているのは人材の確保です。この間、全国社会福祉協議会とそれから石川県の社会福祉協議会が連名でお手元のような要望書を出しておりまして、三の項目のところ、人材確保について。
発災後、住家を失って避難することなどにより多くの福祉人材が退職を余儀なくされていると。その方々の多くは、住家さえ確保できれば再び福祉施設で働きたいという希望を持っている。これ以上エッセンシャルワーカーが地元を離れてしまうと、ふるさとに戻りたい、地元で末永く生活を送りたいという方々の希望をかなえられない事態になるので、早急な対応をということで、このエッセンシャルワーカー向けの住まいの確保、加えて、社会福祉施設等災害復旧国庫補助金の対象に従来なっていない法人所有の職員寮などについての財政支援をと求めているわけですが、この点、厚労省、どう応えられるでしょうか。
○政府参考人(斎須朋之君) 被災地域の介護サービス事業所の復旧等に向けましては、社会福祉施設等災害復旧費補助金の補助率のかさ上げですとか、それから、複数者の見積りが困難な場合には一者見積りによる協議を認める等の事務の簡素化等により支援を行ってきております。
また、この資料にございます、記事にございますが、輪島市におきましては、施設復旧に係る事業所負担を軽減するための事業を六月補正予算案に計上したものと承知しております。
政府といたしましては、予備費を活用しまして、災害の影響により休業、縮小した施設、事業所の再開に伴う掛かり増し経費などの支援ですとか、デイサービス機能などを有するサポート拠点の整備に対する支援を行うこととしております。これまでも、石川県や関係の市町とは定期的に会議等の場を設けまして、介護サービスの復旧等に向けて意見交換しながら進めてきたところでございまして、こうした施設の整備につきましても緊密に連携してまいりたいと考えております。
また、こういった介護施設で働く方々、介護職員等の人材の確保の課題についてでございますが、こうした方々の住まいの確保につきましては、まずは県や市町と連携しながら、職員寮等の被災状況の確認、仮設住宅の入居の働きかけですとか、宿舎を必要とされる方の状態の把握など、住まい確保のニーズですとか課題の把握等に努めていくことが重要と考えております。
政府といたしましては、この地域医療介護総合確保基金というものを設けておるのですが、この中で職員の宿舎整備も補助の対象としているところでございます。こうしたものの活用等も含めまして、県や市町と緊密に連携してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(竹内真二君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○仁比聡平君 はい。
ありがとうございました。ニーズの把握をされると。逆に言うと、これまでニーズが把握できてないということなんですよね。そうしたニーズをちゃんと把握して、速やかに仕事にしていく、現実の姿で被災地に、あるいは被災者に希望を示していくということが我々の責務だと。大臣うなずいておられるとおりで、是非力を尽くしていただきたいと、こう強くお願いして、質問を終わります。