○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
能登の被災者支援について、まず、なりわい再建補助金に関連しまして、上月経産副大臣においでいただきました。
申請に向けた相談が始まっているんですけれども、処分制限期間につきまして、地元中小企業金融機関の関係者から、あれは都会の人がつくったものだと、奥能登の実態に合わないという厳しい声が出ているんですね。
お手元にその説明会の資料から抜粋してお配りをしておりますけれども、御覧のとおり、木造の店舗の再建を援助するというときには二十二年の処分制限期間が掛かる。もし鉄筋コンクリートの事務所だと五十年掛かると。この間に仮に再建できた建物を処分するということになった場合、書いてあるとおり、原則、補助金相当分を返納いただくことになりますとあるわけです。
これはきついんですよ。もう実際、多くの皆さん、御存じのとおり、七十代あるいは八十代の事業者が何としても再建しようと、頑張ろうとしているわけですよね。六十代なら若いと言われる中で、この再建への意欲を、何とか頑張ろうとしている被災者、被災業者の皆さんの背中を押す直接支援としてこのなりわい再建補助金が活用されなきゃいけないと思います。これに対して、逆に冷や水を浴びせるような、こういう、木造で二十二年とか、コンクリートなら五十年やれ、処分するなら補助金全額返還だと、こんなこと言われたら使えないじゃないですか。
私はこれ見直すべきだと思うんですけれども、少なくとも、まずは申し上げているような声をよく聞いて、高齢の事業者も再建に向けての意欲をしっかり固めていけるように柔軟に対応すべきだと思いますが、副大臣、いかがですか。
○副大臣(上月良祐君) 御質問ありがとうございます。
お答え申し上げます。
なりわい補助金でございますが、御案内のとおり、補助金等適正化法や交付要綱に基づいて執行いたしております。貴重な税金を大切に使うということがベースにございますので、他の補助金と同様に、この補助金で取得した財産を処分する場合には原則として必要な金額を国庫納付することを求めておるところであります。
他方で、現場における被災事業者の状況は様々であるとよく認識をいたしております。事業者の厳しい状況を踏まえた対応が可能となりますよう、様々な負担軽減措置も講じてございます。例えば、当該事業を第三者に譲渡し継続する場合や資金繰りの悪化により取得財産を維持管理することが困難となり取り壊す場合などは国庫納付を求めておらず、国庫納付を必要とする場合でも、必ずしも補助金額全額ではなく、一定の要件の下では簿価ではなく譲渡価格に補助率を乗じた額というふうにしておるところであります。
こうした財産処分の運用や考え方につきましては、各地で実施した説明会の中でこれまでも丁寧に説明してきたところであります。引き続き、公募のタイミングや補助金申請のサポート時など繰り返し丁寧に周知をしていきたいと思います。
先生から示されましたこの紙で、この紙がこのまま使われていて説明がないとなかなか分かりにくいというんでしょうか、必ず全額返してねというふうに読めちゃうように見えるところもあるので、そういったところは丁寧にきちんと御説明をするということが大切だと思います。
今後も事業の実施主体である各県ともよく連携して状況を丁寧に把握するとともに、個別の状況に応じて被災者に寄り添う姿勢できめ細やかに対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 副大臣おっしゃるように、個々の被災業者が再建に向かうというのは、様々な支援策を総合しながら個別やっぱり相談なんですよね。後継者のあるなしとか事業の見通しとか、いろんなことを具体的に相談していかなきゃいけないじゃないですか。当然のことだと思うんですよ。それを、この紙にあるように処分なら全額返還というふうにしか読めないようなことをそのままにしたら駄目だと私思うんですけど、先ほどの周知というのはどういうふうな形でされるんですか。
○副大臣(上月良祐君) これは、現場での周知の方法は工夫をしていかなければいけないと思います。原則返納というのは、まあ役所の人が読めば例外があるんだということを逆に読めるんだと思いますけれども、どういうようなケースにどんなふうな原則に対する例外があるのかということを、そしてきちんとお伝えをするということが一つだと思います。
それと、その様々な場合にこういうふうなことがあったというようなことも、なかなか具体個別の例は個人情報もあるので出せませんけれども、丁寧にお伝えをするということで、少し、貴重な税金ですからしっかり事業をやっていただいてきちんと結果を出していただくということは大切なんですけれども、その後のことをしっかりお伝えをするということが、丁寧にお伝えするということが大切だと思います。
○仁比聡平君 被災者のニーズに応えた直接支援だと、そのために貴重な税金をしっかり使うんだと、復興なんだと、目的は、我々の、そのことが伝わらないと駄目だと思います。
公費解体について、ちょっとまず環境省にお尋ねをしたいと思うんですけれども、被災自治体の窓口に住民が詰めかけている状況で、これ、膨大な戸数に及ぶだろうということは容易に想像が付くわけですが、そうした中で、同じ場所に家を建てるつもりだという方が窓口でいつ実施できるか分からないというような言葉で市町村から説明を受けているとか、あるいは、仕事を始めて五十年の節目の年までに店を再開したいと願っていらっしゃる事業者の方がその展望が見えないと、そうした現実があると思うんですよ。
二枚目の県の資料にも書かれてありますが、今示されているのは、令和七年の十月末まで掛かる、つまり、全部が終わるまでは一年半後という、そういうことなんですよね。これでは希望が持てない。やっぱり被災者が、被災者に見通しが示されるということがとても大切なことだと思います。
難しさがあるというのはもちろんみんな分かっていることで、その中で、この示されている五百班から六百班という体制がフル稼働をするという目途はどうなのか、宿泊場所の確保など課題解決のために国としてどんな支援をされますか。
○政府参考人(飯田博文君) お答え申し上げます。
被災家屋の公費解体につきましては、四月一日時点では石川県内の五市町でこれまで百三十八件の解体が実施されておりますが、四月から解体事業者が百班規模で現地入りし、五月以降はそれ以外の班が順次現地入りを進め、合計五百から六百班体制で解体工事の加速化を図っていくこととしております。
お尋ねの解体事業者の宿泊先につきましては、当面は民間施設などを最大限活用し確保していくこととしています。また、今後、解体工事の本格化に伴い更に必要となる宿泊施設につきましては、解体事業者が仮設の宿泊施設を設置する予定であります。
環境省では、石川県と連携いたしまして、具体的な仮設の宿泊施設の設置予定地の調整を進めるとともに、宿泊費や仮設の宿泊施設の設置費用について、公費解体の事業費として災害等廃棄物処理事業費補助金の補助対象とし、解体事業者の負担軽減を図ってまいります。
引き続き、石川県の目標であります令和七年十月までの解体撤去の完了を目指し、石川県と緊密に連携し、各市町で解体工事が円滑に実施されるよう全力で支援を行ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 財源は国が持つということをどんと言って、しっかり進めてもらいたいと思いますし、このポンチ絵にも、処理スケジュールとして、より効率的な処理方法等を考慮しながら適宜改定するというふうになっておりますけれども、これ、もちろん前倒しをしていく、そういう決意で取り組まれるということでいいですか。
○政府参考人(飯田博文君) お答え申し上げます。
被災家屋の公費解体に当たりましては、各市町におきましては、申請の受付状況や家屋解体の緊急性等に加え、復旧復興の計画などを勘案して解体対象建物の優先順位を十分に検討した上で解体工事を計画的に実施していくことが重要であります。
環境省では、こうした被災自治体の取組に対しまして、災害廃棄物対応の知見を有する環境省職員や自治体職員などを県庁や被害が甚大な奥能登六市町に合計で約六十名現地派遣するなど、技術的な助言を行っているところであります。
引き続き、解体申請の受付状況や被災市町村からの要望等に応じて追加派遣を調整するなど、被災自治体の公費解体に係る事務体制の確保、強化等に対してしっかりと支援してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 国の責任は重いと思うんですよね。
そこで大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、今も環境省からも触れられたとおり、被災者自らが住宅再建をしていく、あるいは熊本モデルや石川モデルなどの、これから木造仮設を、本当にニーズを把握していく上での用地の確保だったり、復興に向けた町づくりと、これを全体としてしっかりと進めていくという、しかも市町の声をよく聞きながら全体の事業を本当にうまく進めていくと、迅速に進めていくということが大切なんだと思うんです。
そうした中で、避難が長期化しますよね。その下で災害関連死を絶対に引き起こさないというためにも、被災者の元の生活、つながり、コミュニティーを大切にした住宅の確保と、ここを本当に大切にするということが大事だと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松村祥史君) まず、公費解体につきましては環境省の方で担当いただいておりますが、やはり宿泊施設、いわゆる支援者のための宿泊施設が足りない状況でございますので、国交省においては国交省でしっかりと国交省の仕事をしていただく方々の宿泊施設については費用を見る、また、環境省についてもその対応をいただいております。また、被災をされた地区以外から来られる方々の施設については、これは総務省から特交で八割見る形で避難、いわゆる施設を造れるような仕組みにもしております。
まだ取りかかったばっかりでございますが、このフェーズにようやく入ってまいりましたので、更に加速をさせていく必要があると思います。その上で、仁比委員の御指摘のような公費解体の具体的なスケジュール、ピーク時にいち早く持っていけるようにしなければならないと思っております。
それから、御質問いただいた、やはり関連死を必ず防ぐんだと、こういう覚悟で今取り組んでおりますが、何より、避難所よりもやはり仮設で、非常に良好な環境の中で生活いただくことがこれ重要なことだと思っております。
したがいまして、現在、石川県では、三月末までに仮設を五千百三十一戸着工いたしまして、そのうち千六百四十三戸が完成をいたしました。全体では六千六百十戸を建設予定でございます。
また、これに伴いまして、県と被災自治体が連携をいただきまして、避難者の方々のニーズの把握、こういったものをやりまして、例えば、すぐにでもプレハブに入りたいのか、私の場合は再建が不可能だからできれば石川モデルの一戸建てのやつに待ってもいいから入りたいとか、こういった細かなニーズを合意形成を図りながら捉えていただき、いち早く良好な関係の住宅あるいは仮設に入っていただくように全力で取り組んでまいりたいと考えています。
○仁比聡平君 頑張ってもらいたいと思うんですけれども、被災者からしたら、今大臣がおっしゃったような熊本モデルだとか石川モデルだとかという、つまり、元住んでいた地域に木造仮設を造ってこれを恒久的に使えるようになるという、こういう道があるんだと、それを知るということがまずとっても大事なことだと思うんですよね。これを周知しなきゃということと、それから、これから復興が進む中で、早急にできたプレハブに一旦入居するんだけれども、元の集落にそうした復興に向けた木造仮設などができてくる、そこに住み替えをするというようなことの可能性だってあるんだと。能登に戻りたいという思いに応える施策を是非お願いしたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(竹内真二君) 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁願います。
○国務大臣(松村祥史君) まず、幾つかまとめて質問をいただきましたので、いわゆる元の場所に帰りたいんだという方々の御意向、こういった方々の御要望にしっかり応えていかなければならないと思います。
まず、建設用地に、仮設の建設用地につきましても、公有地をまず利用することを原則としておりますが、適当な公有地を利用することが困難な場合には民有地を利用することも、これは可能といたしております。
その例で申し上げると、石川県の穴水町、今回は唐川地区におきまして、石川モデル、ふるさと回帰型につきましては六戸、この土地につきましても有償で町が買い上げまして、その場所で六戸、そのふるさと回帰型の石川モデルの仮設を建てることができました。というのが、公用地には違う仮設を建てまして、しかし、どうしてもその地域に帰りたいという御意向がありましたので、その公有地がなかったので私有地も使った形、買い取った形でのパターンが新しくできたわけでございます。非常に丁寧な地域住民の方々と被災地、被災自治体の方々がやり取りをいただいた結果であろうと思っております。
こういう取組が既にでき上がりましたので、引き続きこういうものを周知いたしながら、被災者の方々のニーズ、丁寧な対応、やってまいりたいと考えています。
○仁比聡平君 ありがとうございました。