水俣病問題の最終的解決に向け、今後のたたかいに生かそうと日本共産党の山下芳生副委員長・参院議員は6月2日、熊本県水俣市で、被害者や支援者ら8団体と懇談し、課題や要望を聞き取りました。仁比聡平参院議員、まつざき真琴衆院九州・沖縄比例予定候補(鹿児島2区重複)らが参加しました。
参加者は、「水俣病は終わっていません。裁判も続いています。どうか助けてください」などと発言。「水俣病不知火(しらぬい)患者会」の岩﨑明男会長は「環境省に救済のための話し合いのテーブルにつくよう求めてほしい」と要望。「水俣病胎児性小児性患者・家族・支援者の会」の長井勇副代表は、自身が胎児性水俣病だと認められた一方で、同じ環境下で被害にあった母親は認められない認定制度の不合理性を訴えました。
山下氏は、「マイク切り事件」について参院環境委員会で伊藤信太郎環境相に迫り、「水俣病問題は終わっていない」と認めさせたことを紹介し、「この機を逃さず、全面解決に向けた運動でも力を合わせたい」とあいさつしました。
仁比氏は、「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」の大阪、熊本、新潟の各地裁が判決で、「未救済患者の存在を認めた」と指摘しました。懇談には、党熊本県委員会の松岡勝委員長、山本伸裕書記長、たいら行雄・鹿児島県議らが同席しました。
懇談後の記者会見で山下氏は「超党派の議連『水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会』とも協力し全面解決に向け取り組んでいきたい」と述べました。
山下氏は、懇談前に船上から不知火海(八代海)沿岸の現地調査を行い、熊本、鹿児島両県への被害の広がりや健康調査の必要性、救済対象を居住地域で分けた不当な線引きなどを確認。「海に線を引くことが、いかに意味ないものであるか実感できた」と話しました。(しんぶん赤旗 2024年6月4日)