仁比聡平議員は5月23日の参院法務委員会で、全国各地の法務局の登記などの公開業務(乙号事務)が「官から民へ」の市場化テスト法により2006年以降18年間官民競争入札の対象となり、官製ワーキングプアともいうべき低賃金の不安定雇用をつくり出している実態についてただしました。(質問動画はコチラ)

 全国23の郵便局で法務省から業務受託している日本郵政オフィスサポートでは、22年に印紙詐取事件が起きています。同事件への対応について、同省の竹内努民事局長は「業務運営体制が脆弱(ぜいじゃく)なところが不備で、その是正を指示した」と答弁しました。

 仁比氏は「脆弱と言っただけで何が変わるのか」と厳しく批判。同社は団体交渉を拒否し、1年以上賃金交渉ができない状態に労働者を置いてきたと告発し、「これは労働関係法令に反するのではないか」と追及。竹内局長は「労働社会保険諸法令に違反する事実が直ちに確認されるものではない」と述べるにとどまりました。

 同社は今年10月以降、問題の事業の入札には参加せず、撤退する方針。同社が雇用する1500人の労働者への処遇も示さず、不安が広がっています。ところが小泉龍司法相は、市場化テストについて「公共サービスの質を確保しながら経費の削減を実現できている。制度趣旨にかなった運用が行われてきた」と強弁しました。

 仁比氏は「不安定で低賃金の状態に置かれても“この仕事は大事だ”と頑張っている現場の職員の人たちの力で辛うじて支えられている。それが長続きするはずがないというのが現場の声だ。競争に委ねれば全てうまくいくという市場化テストはもう破綻している。乙号事務を(市場化テストから)外すべきだ」と要求しました。(しんぶん赤旗 2024年5月27日)