殺人・傷害事件などの犯罪被害者と遺族らでつくる「犯罪被害補償を求める会」(藤本護理事長)は2月21日、犯罪被害給付制度の抜本的な強化をはじめとする支援の拡充を政府に求める集会を国会内で開きました。超党派の国会議員、弁護士、法務省・警察庁の担当者らが参加しました。
藤本理事長は、犯罪被害者と遺族の多くが経済的困難を抱えているとして「国は支援する組織をつくってほしい」と述べました。
大阪市北区の心療内科医院で起きた放火殺人事件(2021年12月)で夫を亡くした女性は、事件当時に無職だった夫の収入を基準に給付額が算定されたことに触れて「これから先、生きていく人たちを助けるための給付金としては少なすぎる」と憤りをあらわにしました。
北欧諸国の犯罪被害者支援について齋藤実弁護士(琉球大学法科大学院教授)は、犯罪被害者庁が損害賠償を立て替え払いする制度があるスウェーデンは「人権問題としての考えが強い」と報告しました。
警察庁は犯罪被害給付制度の見直しで、給付金の最低額を現行の320万円から1000万円以上に引き上げる方向で検討を進めています。
集会のアピールでは、犯罪被害者等給付金の支給額が交通事故の自賠責保険と比べて低く、不支給や減額の規定も多いとして「自賠責賠償額と同等に改善すること」を訴えました。
日本共産党から山下芳生副委員長・参院議員と井上哲士、仁比聡平両参院議員、清水忠史前衆院議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2024年2月22日)