日本共産党の仁比聡平議員は5月30日の参院法務委員会で、難民不認定とされた人を迅速に送還する入管の組織的な取り組みのなかで、不服申し立ての審査が機能していない問題を追及しました。(質問動画はコチラ)
入管庁(当時法務省)が2017年に発出した「難民認定制度の濫用・誤用的な再申請者の帰国促進に係る措置の試行について(指示)」は、東京入管で試験的に難民認定申請の「濫用・誤用」と見なされる対象者を選定し、速やかな送還につなげるというもの。難民不認定に対する不服申し立てを審査する難民審査参与員の事務局が、入管庁審判課と協力し、申請者の口頭意見陳述を行わない場合には参与員による書面審理などを経て速やかに案件を入管庁に送ることとしています。
仁比氏の質問に入管庁の西山卓爾次長は、同庁審判課が、大量の案件を迅速に処理する「臨時班」の参与員に案件を配分すると答弁。仁比氏は、まるで“送還ありき”のベルトコンベヤーに参与員、とりわけ「臨時班」が位置付けられていると指摘し、「適正な手続きとは言えない」と批判しました。
斎藤健法相は「デュープロセス(適正な手続き)自体がおかしいというふうには認識していない」と強弁。仁比氏は、難民認定申請者の供述と出身国情報を重視する国際基準と大きく乖離(かいり)する、日本の入管の難民認定実務の現状が問われていると主張しました。(しんぶん赤旗 2023年6月1日)
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