日本共産党の仁比聡平議員は5月18日の参院法務委員会で、政府の入管法改悪案の問題点を追及するとともに、国際人権法と憲法にかなった野党の対案の意義をただしました。発議者の日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組、沖縄の風の議員が答弁に立ちました。(質問動画はコチラ)
仁比氏は、日本の法制度で行政の判断だけで無期限の身体拘束が可能なのは入管収容以外にないと指摘。野党対案が収容に上限を設け、収容の必要性・合理性の判断に司法審査を必要としている趣旨を質問しました。
れいわの木村英子議員は、現在の入管収容に司法審査が不要なのは「国家権力の乱用を防ぐために令状主義を定めた憲法33条の趣旨に反している」「入管施設や障害者施設などでは、弱い立場の人たちは密室で虐待を受けるため逃げ場はない」と答弁しました。
仁比氏は、政府案ではなぜ令状が不要なのかと追及。出入国在留管理庁の西山卓爾次長は「国家にとって好ましくない外国人」の強制送還は「国家の主権に関わる問題」で、「行政機関の判断で行うことができる」と強弁。
仁比氏は、それが構造的な人権侵害であり「国際人権機関から厳しく批判されている」と強調し、“送還ありき”は「憲法違反だ」と指摘。沖縄の風の高良鉄美議員は、野党案では身体の自由、裁判を受ける権利など「外国人の基本的人権の保障を制度的に担保している」と答弁しました。立民の石橋通宏議員は野党案こそ国際法規にのっとっていると強調しました。
日本共産党の山添拓議員は、入管庁が送還忌避者数の増減など必要な情報をつまびらかにし審議の前提をつくることは「最低限のことだ」と述べました。(しんぶん赤旗 2023年5月22日)