昨年廃案になった入管法改定案の再提出に反対する集会が10月6日、参院議員会館で開かれました。移民や難民を支援する団体、弁護士グループの8団体でつくる「STOP!長期収容」市民ネットワークが主催し、日本共産党の本村伸子衆院議員、仁比聡平、山添拓両参院議員ら20人の野党議員と市民が参加しました。

国際法は難民の送還を禁止していますが、同案は3回以上難民申請した人の強制送還ができるものでした。廃案は市民の反対の高まりによるもので、政府はその後も改定案再提出を2回見送っていますが、新たに「ウクライナ避難民保護」を理由に挙げ、改定を進める方針です。

外国人問題に長く関わる児玉晃一弁護士は、「改定でウクライナ人を保護できるというのはうそだ」と指摘しました。

政府の主張は、ウクライナ避難民は難民の条件にあてはまらないが、改定案にある「補完的保護対象者」として保護できるというものです。児玉氏は、「補完的保護対象者の審査も従来の難民認定担当者が同じ手続きで行い、同様に50カ月以上かかる。0・7%しか認定されていない手続きと同じだ」と指摘。東京五輪関係者に対して、国会審議をせず現行法の運用で在留資格を出したのと同じ対応ができると主張しました。

アフリカ出身の難民申請者のピーターさんは「いつも死を考える。働きたくても働けず、腹が減っても水を飲むしかない。医療保険もなく、治るまでベッドで寝ているしかない。家にいても収容されているのと変わらない」と訴えました。(しんぶん赤旗 2022年10月7日)